アンジュ・エ・デモン 2nd

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どうしよう。

苗字同じじゃんって笑って誤魔化すか

もしかしてそれって私？っておとぼけしてみるか…





そんな風にグルグル考えてる内に、重岡くんはお好み焼きを見つめながら静かに話し出した。







「ここまで来たから言うけどさ、俺の初恋は高橋やねん。


だから、会社入って神ちゃんと一緒に写真映ってるの見てほんまにビックリした」


「うん…そっか…それは、驚きますね…」


「ふはっ。なんやねん、そのよそよそしさは。



心配せんでも、あれからずっと好きやったわけじゃないから。




…ただ、俺の中の青春の1ページや」


「そうだね…。うん、ごめんごめん。変な空気になって。

やめよ！昔の話」






その後は当たり障りのない話題で時間を過ごして、お店から出た。







お店がガチャガチャしてたから、気まずい時間も忘れて話せたけど




静かな帰り道になると、微妙に気まずい時間に逆戻り。






どうしようかな、何か話さなきゃかな…

そう思う反面、この沈黙も案外苦手じゃないかもしれないと不思議な気持ちになる。








そして、先に喋り出したのは重岡くんだった。








「なぁ、さっきの曲さ『月の光』やなくて、はじめは題名違ってたって知ってた？」


「そうなの？知らない！何て題だったの？」


「はじめは、『感傷的な散歩道』やったんて。



今の俺らのことみたいやな！？なっ？」






あははってカラッと笑うから、つられて笑ってしまった。


そうかな？感傷的なのかな？



…よく分からないけど、賑やかな散歩道ではないのは確かかな。








「なぁ、高橋ー」


「ん？」


「最近どうなん？藤井さんと。上手くいってるん？」







その問いに、どう答えようか一瞬迷ってしまった。

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