アンジュ・エ・デモン 2nd

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雑誌に載るようなでも、取材殺到でもないけど





でも、私はこのお好み焼き屋さんが大好きで前はよく通ってた。





ほんとは、元カレが好きで連れてきてもらってたんだけど。

別れてからは何となく足が遠のいてて、でも良い機会な気がしてこの店を選んだ。








「なぁ、ここほんまに中間さんオススメ店なん？」


「中間さん？何が？」


「中間さんにオススメ聞く言うてたやん」


「あー…そういえば。だって、あの人庶民のお店なんか行かなさそうじゃん。


大丈夫！美味しいから、信じて」








本人に確かめた事は無いけど、中間さんがセレブだろうってのは社内で噂されてる。

どこかオススメあるか聞こうかとも思ったけど、それよりここのお店に久しぶりに来たい気持ちが勝ってしまった。








「ま、えぇけど。ここは高橋のオススメ？」


「うん、そう。昔よく来たんだ。

安いけど、大きくて美味しいんだよ！」


「へー…。関西人やからな、そう簡単には認めへんよ」








そんな事を言いつつ、鉄板のお好み焼きを楽しそうにひっくり返して嬉しそう。

やっぱ上手いな、返すの。






「高橋のも、返せるで」


「うん。……うぎゃっ！崩れたーっ」


「うわ、ヘッタクソやん〜っ飛び散っとるやんーっ」








散らばった具をかき集めて、なんとか綺麗に整形してお好み焼きは完成した。









なんでだろ。


絶対、流星くんとだったら豚キムチチーズのお好み焼きなんか選ばないし


青のりかけるのも我慢する。






タコわさとかも、多分食べない。






マヨネーズも本当はソースかけるみたいにたくさんかけたい派だけど、流星くんとだったらちょこっとで我慢しちゃうと思う。







「なぁ、一切れ交換しよーや」


「しょーがないなぁ〜」








一切れもらった牛スジのお好み焼きは、とてつもなく美味しい気がした。

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