アンジュ・エ・デモン 2nd

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数日後の仕事終わり。





丸山さんから持ち歩き用のコテを借りて甲斐甲斐しく髪の毛を巻き巻き。






「珍しく無いですかぁ？


ていうか、高橋さんがそうやってアレンジする時って絶対何か予定ありますよね」


「そんな事ないよ。今日はたまたま」


「ううん、絶対そう！だって、早く仕事終われオーラ出てますもん」


「そ…うなの？」






恥ずかし過ぎるでしょ、それ。

でも、当たってるんだよね。

何か無ければ、もともとちょっとカールかかったくせ毛だしアレンジなんかしない。







「噂で聞いたんですけど、高橋さん、カフェの藤井さんと付き合ってるって本当なんですか！？」



「いや、いやいやそんなとんでもないっ！




…そんな噂あるの？」


「ちょっと前までは重岡さんが怪しいって言ってたけど、映画館で藤井さんを見たって子がいて、連れてた女の子が高橋さんぽかったって…違うんですか？」







うわ、あんな郊外モール併設の映画館なのに会社の人いたんだ。

あの日見られてたんだ。







「…付き合っては無いよ。友達、かな」


「でも、あんな遠いとこに2人で行くなんてもうカップル間近ですよね？恋人未満みたいな？」


「まさか。たまに遊ぶだけで友達だよ」


「じゃあ、今日のお相手は藤井さんじゃ無い人？」


「……藤井さん、だけど」







もう、尋問が凄いんだけど。



しかも好奇心丸出しでキラキラしてるし。








「いいなぁ、高橋さんどんな徳積んで暮らしてたんですか？

重岡さんと仲良しなのも羨ましいのに、本命は藤井さんとか…今がピークですね♡」


「…ですかね」







ダメじゃん、今がピークとか。結構微妙な感じなのに。





これ以上の探りは勘弁。

ちょうど巻き終わったし、丸山さんにコテを返して逃げるみたいに更衣室を出た。








「高橋さーーーんっ！ご報告待ってマーース♡」







もー！声が大きいってば。






最後にトイレに寄って鏡で最終チェック。



よし、朝よりは髪巻いた分マシ！



エレベーターに乗り込んだ。

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