はじまりの記憶ーRen ページ7
大学２年、春。
今日が仕事始め。。
駅を出ると店があるビルへ向かう。
歩きながら深呼吸を繰り返す。
何度もあの人目当てで店に通ってた。
ついに一緒に働ける。
面接の時、あの人はおらへんかったけど今日はおるよな。
心臓ヤバイわ…手汗止まらんし、なんなんこれ。初恋でもあるまいし。
ビルの前に着くと立ち止まって看板を見上げた。
大きく息を吐くと拳を握る。
よしっ！行「あの」
「へっ？えぇ！？」
突然声をかけられてアホな声が出た。
振り返ってみてさらにアホな声が出る。
「今日からバイトに入られる永瀬さん…ですよね？」
遠慮がちに柔らかく微笑んでるのは…ずっと憧れてたあの人。
「…安永さん…」
「え？」
しまった！名札見て覚えてた名前を言ってしまった。
あかん…初っ端からストーカーと思われたら終わりや…！
やらかした…
「そうです。安永です。名前、知っててくださったんですね」
焦りまくりの俺とは対称的に、安永さんは一層柔らかく微笑んだ。
予想外の反応にさらにテンパる俺。
なんとか取り繕う。
「よく…見かけてたんで…」
あかん、この発言も際どい。まるでよく見ていたかのよう。実際いつも見てたんやけども…
「あははっそうなんです。私、週５日入ってるから」
安永さんは明るく笑うと口元に手を当てた。その仕草があまりにも可愛くて、心臓が飛び跳ねるのを感じた。
見たとおり、思ってたとおりの可愛い人。
「私も、永瀬さんのこと知ってたんですよ。よくお店に来てくださってたから。
店長に新しいバイトの子が入るよって言われて、面接シートの写真見たらこの人知ってると思って。名前、永瀬さんなんだーって…」
「そうやったんすか…」
覚えてくれてたんや…。数えきれんほどたくさんの客が来てるやろうに…。
嬉しそうに話してくれる姿に感極まってる…。バイトこれから始まるのに…。
「今日からよろしくお願いしますね」
「…お願いします」
なんとか会釈するとビルへ入っていく安永さんの後ろ姿を見ながら、これまでの日々を思い返した。
１年前一目惚れして、何度も通って、レジをしてもらいたいがために欲しくもない本を買ったこともある。
見ていることしかできない日々を終わりにしたくて一歩踏み出したのは間違ってなかった。
やっぱり…この人が好きや。
まだどんな人なんかわからん。
少しずつでいい、これから知っていこう。
今はそばに居られるだけで、それだけでいい
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愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
