本音ー長妻 ページ37
飲み約束のために明日からの出張を前倒しにして、駆け足で乗り込んだ新幹線。
大阪駅へ着くと約束相手が既に待っていた。
「おーい！永瀬！！」
改札の向こうへ向かって手を振ると、柱にもたれていた永瀬はこちらを向いていつものように顔をクシャッとさせ片手を上げた。
変わらない笑顔に安心する。
「ひさしぶりー！」
「久しぶり。おつかれながつ。間に合ってよかったわ。チーフにダメ出しされて残業になってしまったから」
「うわーおつかれ！チーフ、厳しいって有名な大倉さんだろ？」
「東京でも言われてるって相当やな。
まぁ厳しいけど、言ってることは間違ってないし、褒めるところは褒めてくれる良い上司よ」
「残業させられたのに？相変わらずポジティブだなー」
「ながつには負けるわ」
軽口を叩き合いながら駅の構内を早足で抜け出すと、目に付いた居酒屋に入った。
「おつかれー」「カンパーイ」
ジョッキを合わせるやいなや、流し込むようにビールを一気に飲む俺を、目を丸くして見てくる永瀬。
「うわぁーうまい！！
最近取引先との飲みばっかりだったからさー！控えてたんだよ！
いやー気楽でいられる相手と飲めるって楽しいねぇ！
大阪出張最高だよ！」
「あんま羽伸ばしすぎんなよー」
「わーかってるって！ちゃんと抑えるから大丈夫！」
.
飲みすぎた。
景色がグラグラ揺れ、足元もおぼつかない。
永瀬に支えられてなんとか歩いたけど、ホテル近くの公園でベンチに座った途端動けなくなってしまった。
「おい！おーいながつ！！しっかりせぇ！ホテルまであと少しやぞ！」
「うーん…ちょっとだけ休憩させて…」
「しゃーないなー」
永瀬は少し離れた場所にある自販機でペットボトルの水を買うと俺の頬に当てた。
ひんやりとした冷たさに少しだけ頭が冴えると、
大学時代、酒で潰れるたびに永瀬が二日酔いの俺を朝まで介抱してくれたことを思い出した。
あの頃から変わらない、イケメンなのに気取らなくて、俺の馬鹿な発言も楽しんでくれるいい奴の永瀬。
なんでそんないい奴が、、
「…永瀬さぁー
なんでAさんのこと諦めれたんだよー…」
…身を引かなきゃいけないんだよ。
そう思った途端、これまで堪えていた言葉が口をついて勝手に飛び出してきた。
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愛 - 続きはまだでしょうか？急かしてるわけではなく、純粋にこのお話が好きすぎて続きが気になるんです！更新待ってます。 (2019年7月26日 23時) (
レス) id: 88c3d5de1a (このIDを非表示/違反報告)
すこ - 引き込まれました。キャラクターたちの心情を、一人ひとり大事に大事に書かれてるように思います。切なくて、でもお互いを大切に思っていて、すごく素敵な作品だと思います。次の更新を楽しみにして待ってます。 (2019年7月4日 1時) (レス) id: ca0d230652 (このIDを非表示/違反報告)
atu66mi67yu129(プロフ) - 更新ありがとうございます。廉くんとは…ならないんですかねぇ…これからも楽しみに待ってます。頑張ってください。 (2019年7月3日 7時) (レス) id: c65eb063a4 (このIDを非表示/違反報告)
シー(プロフ) - 1から6まで一気に読んだくらい本当に面白いです！更新頑張ってください！！ (2019年7月1日 7時) (レス) id: dfd347ea96 (このIDを非表示/違反報告)
もこ(プロフ) - こんなに引き込まれた小説は久しぶりで、一気に読みました。続きを楽しみにしています。 (2019年6月11日 14時) (レス) id: e8aeac1cf5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ピナパル
| 作成日時：2018年10月22日 8時
