寂しさに

エリザベス ページ39

「……？」




見廻りが丁度お昼時で、最近の行きつけである蕎麦屋で昼食をとっていたら。


隣に謎の白い物体が座ってきた。その奥には見慣れたロン毛も見える気がするが、気の所為だろうか。




「…………」




取り敢えず気の所為だと思う事にした。


別人にも関わらず話しかけたら超恥ずかしいし、本人だったら話しているのを誰かに見られて面倒な事になるかもしれない。


百害あって一利なしだ。




もし話しかけられたら少し困るので、早めに店を出る事にした。


食べるスピードを上げて蕎麦をかき込んでいると、慌て過ぎてか喉に詰まった。


コホッコホッ、と咳き込みながら水を流し込む。




ふぅ、と息をついて落ち着いたところで、隣の白い物体にジッと見られている事に気が付いた。


目が合った気がして何となく会釈をすると、【大丈夫か？】と書かれたプラカードが出された。




何故筆談？ と思いつつ「はい」と返事をすると、それはまた正面を向く。


が、何も考えずに返事をするべきで無かったとすぐに後悔をした。




「おお、A！ 久し振りだな」




どうやら２つ隣のロン毛は御本人だったらしい。


嬉々とした表情の彼に顔を顰めると、シーッと口の前で人差し指を立てながら合図をして隊服を指差す。




すぐにハッとした様子になった彼に安心して、席を立つ。


お会計を済ませ、チラッとこちらを気にしているこた君にひらっと小さく手を振って、店を出た。

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