恋バナ ページ23
「頭が痛い……馬鹿になる……」
「ふふっ」
その翌日、未だに拳骨の影響が出ている頭をさすりながら、Aは縁側に座る四葉の横に腰を下ろす。
庭では兄達が稽古をしていた。
「お姉ちゃんはやっぱり、銀ちゃんの事好きなんだ?」
「!?……Aちゃん、どこでそれを……」
四葉が目で追っているのがたった1人な事に気付いて、何気無く尋ねてみると、途端に顔が赤く染まる。
暫く目を泳がせていたが、誤魔化しても無駄だと悟ったのか、ため息をついてまた庭へと視線を戻した。
「……うん」
「何で好きになったの?」
「Aちゃん、グイグイ来るわね……何で、か」
身を乗り出して訊いてみると、苦笑いをしてから考え込む。
少しして答えが出たのか、顔を上げた。
「……分からない」
「……え?」
思わず間の抜けた声が出る。
そんなAに四葉は微笑んで、口を開いた。
「気付いたら目で追ってて、気付いたら好きになってた。だから、何でかとかは分からない」
「へぇ、そういうもんなんだ」
「うん、そういうもんよ。Aちゃんにも好きな人が出来たら分かると思う」
「好きな人か〜、出来る自信無いな〜」
「大丈夫。本当に、いつの間にかだから」
そう言って笑った姉は、いつもより少しだけ、可愛く見えた。
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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時