護る為 ページ11
それからAは、村へ喧嘩相手を探しに行く事が無くなった。
ただやはり動き足りないらしく、兄達が勉強をしている間、ほぼずっと剣の稽古をしていた。
「A」
一心不乱に素振りをしていた腕を止めて、松陽の方を振り返る。
歩み寄ってきた松陽が差し出してきたものが何かを確認するより先に、それを受け取っていた。
予想していた以上の重さにふらつくが何とか踏みとどまって、それを見る。
「これ……」
思わず声が溢れていた。
何故って、松陽に渡されたのは真剣だったから。
「1週間程前、君は怪我をして戻ってきた。あの時は山で転んだなんて言っていましたが、本当だとは思えない。それで、私だけで理由を確かめてきました」
「……それ、お兄達には…………」
「言ってません。嘘をつくのには理由があるのだと思ってね」
ホッとする。
兄を苦しませずに済んだから。
「君と喧嘩したという奴らは、すぐに見つかりましたよ。私の弟子にあんなに傷を付けて、どうしてやろうかと思っていましたが、その気はすぐに失せましたね。A、君どれだけ暴れたんですか」
苦笑する。
Aのモットーは、『やられたら倍返し』。
それを実行させたのだから、相手の奴らがどんな事になっているのかなんて、想像に難くない。
「君が喧嘩した理由も、それを隠したがっていた理由も、粗方分かりました。それで、そろそろ持たせても良いのかなと思ってね。銀時に渡したのも、君ぐらいの歳の時ですよ」
それってつまり、松陽が認めてくれたって事だろうか。
嬉しくて、思わず頰が綻んだ。
「弱い自分を切る為に、己の魂を護る為に、
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ゆず(プロフ) - 緋澄さん» 1話目ができ次第、公開させていただくつもりです (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
ゆず(プロフ) - 時雨さん» 申し訳ありません、実は、続編は準備しただけでまだ1話も書いていないんです・・・! (2019年6月19日 17時) (レス) id: e1a0e02e53 (このIDを非表示/違反報告)
緋澄 - 続編を読みたいのでパスワードを教えて下さい (2019年6月19日 14時) (レス) id: d02144b3e7 (このIDを非表示/違反報告)
時雨 - 続編が、読みたいのでパスワードを教えてください。 (2019年6月18日 23時) (レス) id: bfac637d1b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆず x他1人 | 作成日時:2019年4月5日 20時