検索窓
今日:12 hit、昨日:13 hit、合計:45,396 hit

ページ38

「いらっしゃい、ひかる」

ふんわりと笑ういのちゃんを見ると、すとん、と自分の煩悩は今夜の月みたいに雲に隠れる。



「お邪魔します」


クリームたっぷりのカフェオレみたいな色のカットソーを着たいのちゃんは、ドアを開けて俺を招き入れてくれた。


「…それ、なに?」

きょとんとした瞳が、俺が持つ白い箱に向けられた。


「あぁ、いのちゃんに食べて欲しくて」

学校で作ってきたシュークリーム。

ぱぁっと顔を輝かせたいのちゃんは、まるでプレゼントをもらったかのように箱を大事そうに抱えた。






マグカップに並々と注いだ紅茶とともにソファの前に、肩をくっつけて座る。


美味しいって、思ってもらえるといいんだけど…

「いただきます!」

はむ、と紅い唇に1口目が収められた。

とろりと溢れそうなクリームを舌で舐め取り、かぶりつく。

いのちゃんの食べ方は綺麗だ。
お箸を使う時もそうだけど、こうやって指で持ってかぶりついている様子さえ綺麗で…

「んぅ〜、美味いっ!」

見とれていた俺に、賞賛の言葉が響く。


「ひかる、ほんとすごいね」と、いのちゃんはぺろりと唇に垂れたクリームを舐めた。


…ドクン、
恋人のその姿に、興奮してしまうだなんて。



ご馳走様、と丁寧に手を合わせるいのちゃん。


その手に触りたい。
唇にキスしたい。




「…ひかる?」


ねぇ、…また俺の知らないいのちゃんを見せてよ。


指先を近づけて、ふわふわの君の髪の毛を耳にかける。少し顔を傾ければ、微笑むようにそっと目を瞑った。

・→←レシピは要らない(hk×in)



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (121 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
299人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

まや(プロフ) - ちちちさん» ちちちさん、コメントありがとうございます!よくしろくまさんのページでお見かけしていますちちちさんですよね?|´-`*)遊びにきていただけてたなんて嬉しいですっ! (2019年4月27日 20時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - ときめきと切なさと背徳感にキュンとしました!最後のゆとひかのゆーとの色気ったら! (2019年4月26日 19時) (レス) id: 666edffd2b (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - しろくまさん» 大好きなしろくまさんにきゅんとしていただけたなら幸せですっ(´∩ω∩`*)ありがとうございます! (2019年4月26日 1時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - まや様、Twitterのやぶひかお話しを上げて下り、ありがとうございます。改めて読ませていただいて、きゅーん(//∇//)やっぱりまや様の学園物は鉄板ですね…!! (2019年4月25日 8時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ねね子さん» 来て下さってありがとうございます(*´˘`*)どうも薮くん病み気味です(笑)ねね子さんに褒められるなんて嬉しすぎます〜(//∇//) (2018年9月30日 22時) (レス) id: 66cf309f23 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まや | 作者ホームページ:http://ma-no homepage  
作成日時:2018年6月5日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。