エチュード(JUMP×JUMP短編集)

夜空の花は見ない(tk×ar) ページ27

サラリーマン設定


ar side



「ん、っふ…」


「ありおかくん、きもちい？」


「見え、見えちゃ、からぁ…」



「大丈夫。みんな花火しか見てないよ」






なんで、俺…

こんなことされてるんだ…？


草むらの草をぎゅぅっと掴むと、目の前の高木がフッと笑った。









「今日、花火大会だからみんなで行こうぜ」



言い出しっぺは俺だった。


同期のいのちゃん、高木と、それから受付の女の子2人。


いのちゃんが受付のリナちゃんを誘ってやったぞ、と俺ににやにや笑ってきた時はもう、いのちゃんグッジョブ！って大声で言って部長から睨まれたよね。


リナちゃんは、栗色の髪と大きな目のかわいい受付嬢で、俺は数ヶ月前からリナちゃんを狙っていた。

今日の花火大会で距離を詰められればいいな…淡い期待を胸に抱いていた。




たこ焼き、焼きトウモロコシ、かき氷。

最近はタピオカドリンクの店や、インスタ映えを狙ってか電球ソーダ、みたいな飲み物まである。


みんなで何かを買ってはシェアしながら、花火が綺麗に見える場所まで、土手沿いを歩く。




そして、気づかされる。




リナちゃんが、少しだけ頰を紅く染めて、高木を見上げることに。

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