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「な…薮く、なん、で…」

恐怖で力が抜けたのか、
ぱちゅ、奥の奥まで薮くんのものが入った。

「ひぁ、」


ガツガツと奥を突かれ、身体中の血液が沸騰したみたいに燃え滾る。


「な、なんで…ゃ、あぁんッ」


「大ちゃんが言ってたんじゃんか。

綺麗なものは、壊したくなるって」



はく、はく、首を締められたわけでもないのに、息が苦しい。



「やぶ、く、…あのとき…」



「そうだな。あの時は、そうだった。


本当に、違うとそう思っていたよ」



「なら、なん、で…」





『隣の県の殺人事件、犯人捕まってないらしいから』


施設長の言葉を思い出す。


そうだ、隣の県って、もしかして…




ずず、ず…


首にあてられていた刃物が、少しずつ動く。


ちりちり、痛んで


ぽた、ぽた、


血の匂いがむわっと広がった。




床に、血の水玉がアンバランスな模様を作る。


あぁ、あの夜のヨーヨーだ。
綺麗な水玉のヨーヨー…


「だって…大ちゃん、本当に綺麗になったから…」



うっとりとしたような声が耳元に降ってくる。





どうして、


どうして、









なんで、俺はこんなに嬉しいんだろう。




薮くんが、わかってくれた…
俺に共感してくれたんだ。


「っふ、ぅう、ん…」


うつぶせのまま顔を傾けてキスを強請ると、薮くんは驚いた顔をして…


綺麗に笑い、応えてくれた。





あぁ、俺もこの綺麗な人を壊したい。
傷つけて、めちゃくちゃにしてしまいたい。



俺の順番が、来るならば。




燻っていた花火に、またほんのりと火が灯った気がした。







花火、ヨーヨー、恋心*fin

夜空の花は見ない(tk×ar)→←・



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まや(プロフ) - ちちちさん» ちちちさん、コメントありがとうございます!よくしろくまさんのページでお見かけしていますちちちさんですよね?|´-`*)遊びにきていただけてたなんて嬉しいですっ! (2019年4月27日 20時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
ちちち(プロフ) - ときめきと切なさと背徳感にキュンとしました!最後のゆとひかのゆーとの色気ったら! (2019年4月26日 19時) (レス) id: 666edffd2b (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - しろくまさん» 大好きなしろくまさんにきゅんとしていただけたなら幸せですっ(´∩ω∩`*)ありがとうございます! (2019年4月26日 1時) (レス) id: b929bba7e5 (このIDを非表示/違反報告)
しろくま(プロフ) - まや様、Twitterのやぶひかお話しを上げて下り、ありがとうございます。改めて読ませていただいて、きゅーん(//∇//)やっぱりまや様の学園物は鉄板ですね…!! (2019年4月25日 8時) (レス) id: f22c03c885 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - ねね子さん» 来て下さってありがとうございます(*´˘`*)どうも薮くん病み気味です(笑)ねね子さんに褒められるなんて嬉しすぎます〜(//∇//) (2018年9月30日 22時) (レス) id: 66cf309f23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まや | 作者ホームページ:http://ma-no homepage  
作成日時:2018年6月5日 21時

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