今日:23 hit、昨日:62 hit、合計:513,090 hit
小｜中｜大
優しすぎる人3 ページ45
’
「ヌナはやく歌おうよ」
そう彼にせかされて鍵盤の上に手を乗せる
「はいはい」
そう言いながら前奏を弾く
足元からリズムを取る音が聞こえる
歌い出しは私が先だ
「Aヌナ Let’s go!!!」
そう陽気に始まりの合図をかけてくれた
ラップのパートが歌いづらいだろうと思い、通常よりもテンポを上げて弾くことを心がける
私の英語の歌詞の上にドギョム氏の韓国語の歌詞が乗せられて、メロディーを奏でていく
原曲とアレンジVer. 異なる曲に聞こえていたけれども、ぴったりと合わさっていた
横を向き、目を合わせながら歌う
ドギョム氏はまるで恋人を見ているかのような、とても優しい表情を浮かべていた
その表情が 別れたあの彼を思い出させる
別れを一方的に告げた罪悪感と、心の奥にしまっていた想いが込み上げてくる
皮肉な事にもこの歌詞は今の私にピッタリだ
恋人と別れた後に その事実をやっと実感し、恋しがる そんな切ない歌……
最後のパートまで弾き終わると
「ヌナ、誰のこと考えてた？」
「え？」
「すごく切なそうな顔して歌ってたよ？」
「ただ曲に入り込んでいただけだよ…」
「そっか…それならいいんだ」
‘
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 939人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：キンモクセイ | 作成日時：2019年10月20日 23時
