もし違う出会いだったらば4 ページ28
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「俺もさ、練習生の頃好きだった子がいたんだよ。今思えばお前によく似てた。同い年で、音楽と本が好きで 責任感が強くて意地っ張りで ちょっとクールな感じの女の子」
「もしかしてそれ、私なんじゃない?」
ちょっとふざけて笑いながら答える
「そうだったのかもな。俺たちこんな関係性で出会ってなかったら、付き合っていたかもしれないな」
そう言って 少し悲しげに彼が笑った
「おーい お前ら、なに仲良さげに話してるんだよ」
どこからともなくクプス氏がやってきた
「もしも俺らが普通に出会っていたら、付き合っていたかもなって話」
「お前… A今すぐそいつから離れろ。優しそうに見えるけどな、そいつは計算高い男だ」
「あーはいはい お父さん、もう戻りますから」
苦笑いしながら椅子から立ち上がる
「もう少しお前と話したかったな」
そう言ってウォヌ氏が私の顔を見上げて言う
「彼も別れ際、いつもそう言ってくれてた…」
互いに見つめ合い、微笑む
「おい 俺も仲間に入れてくれよ…」
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作者名:キンモクセイ | 作成日時:2019年10月20日 23時