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ダンスの天才の苦悩2 ページ22
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しばらくの間、お互いに黙り込んだままだった
2人して体育座りをしながら、壁をぼーっとを見つめていた
沈黙を破ったのは彼のか細い声だった
「お前すごいよな… 」彼が下を俯きながら言う
「何が？」
「だってこんな曲作れるんだもんな…」
「この曲を初めて聞いた瞬間、お前とウジって本当に凄いんだなって改めて思った だからこそ、この曲に負けないような振り付けを考えないといけないのに、俺は……」
だんだんと声が小さくなっていくのがわかる
こんなにまでも弱々しい彼の姿を見たのは、おそらく初てだろう
気がついたら 私は立ち上がり彼を抱きしめていた
「えっ……」
彼は驚き、あたふたし始めた
包み込むように抱きしめながら、背中を優しくトントンしてあげたら 次第に腕の中で大人しくなった
どれくらいの間そうしていただろうか
「ありがとな」 彼がそう呟いた
抱きしめていた手を離し彼の前に座る
ホシ氏は相変わらず 俯いて下を見ていた
そんな彼の手を両手で握りしめると、ようやく私と目が合った
彼の目を見ながら語りかける
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作者名：キンモクセイ | 作成日時：2019年10月20日 23時
