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アジトへ戻ると

マイキーと九井くんは居らず

三途が1人、気難しい本を読んでいた。



「...三途。」

三途『!?、千國か。』


なんでお前がマイキーの服着てんだよ。とでも

言いたいのか三途は不機嫌な顔になる。


上着をハンガーに掛け三途の向かい側の席に座る。


「お前、今が西暦何年なのか分かるのか?」

三途『あ?2017年だろ?』


お前も灰谷みてえな事聞くんだなと言われゾッとした。

今は西暦2007年なのだ。しかも灰谷兄弟とは天竺の

猫かぶり三途の時しか会っていないので

呼び捨てにしているのもそんなしょうもない会話をしているのもおかしい。


「...やっぱお前、みんなに隠してることあんだろ?」

三途『は?なんでそうなるんだよ。』

「お前そこのカレンダー見てみろよ。」


カレンダーには2007年の文字。


三途『...ちょっと間違えただけだろ。』

「それにお前、灰谷兄弟とは天竺一緒だっただけで仲良くねえだろ。3つも上なんだぞ?」

三途『意外と気ぃ合ったんだよ。』

「さっき...マイキーに言われてドラケンと花垣に会ってきた。」


するとさっきまで読んでいた本を三途は閉じた。


三途『は?ドラケンに会ったのか?』

「ドラケンは乾くんとバイク屋やってた。マイキーと九井くんに会わせる気はないって言った。」


それでも怒りの鎮まない三途。


「花垣はタイムリープが出来るらしい。それで条件とかが三途とそっくりで、」


三途は全てを悟り本当の事を話してくれた。

実際の世界では俺は東京卍會解散後

どの暴走族にも入らず平凡に暮らそうとしていた事。

挙式中三途に出会ってしまい世界を狂わせた事。

そして三途は俺と別世界の

人間になってしまった事に後悔していた事。


三途『俺はお前がドラケンを尊敬しててああなりたいと思っているのも知ってた。でも俺にとってお前は唯一無二だしもうバラバラになるなんて考えれなかった。』

「三途、」

三途『だから、一緒に関東卍會に来てくれるって知って嬉しかった。』


似たような性格、似たような生き様、

似たような偏見を持たれがちな俺らだから

離れ離れになっていたのが怖かったのかもしれない。


「三途、きっと俺も同じ事思ってたと思うよ。」

三途『は?』

「梵天とかいうグループにはならないけど、三途が居たら…ってきっと思ってるよ。未来の俺も。」

三途『そうか。』


三途はまた読みかけの本を開いた。

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ラッキー東卍

松野 千冬


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作者名:場地の八重歯 | 作成日時:2021年9月11日 6時

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