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side 轟 焦凍
幽辺に声をかけたら無視されちまった。
中身が翼という兄の方に変わって話しやすいって聞いてたんだが、なんか気がつかない間に怒らせたのだろうか。爆豪からも何故か怒られるから俺は無意識に人をイライラさせるとかもしれない。
めげずに声をかけ続けたら、苛立ったようにうるさい、と声を荒げてこちらを向いた。
驚いた。
クラスにいるときはすごく優しくて温厚に見えたが、こいつもこういう顔もするのか。
幽辺は俺を見ると驚いたのか、怒った表情がすぐに困った顔に変わった。
『「っご、ごめんね
急に大きな声を出したりして
ちょっと驚いて』」
轟「いや、驚かせて悪りぃ
うるさかったか？」
『「っ…いや、考え事してたんだ
だから、轟くんに対してじゃない
本当にごめんね』」
俺を見ると慌てて謝り出したおかしな光景に首を傾げながら、謝る幽辺に首を振る。
考え事をしてたというなら驚いても仕方ないか。
『「それで、俺に何か用かな』」
轟「ちょっと気になったんだが
幽辺も幽霊が視えるのか？」
『「…え？』」
轟「悪りぃさっき1人で外に行くのが見えてこっそりついて行ったんだ
校舎裏で誰かと話してたように見えたから聞いたんだが」
『「視えないよ
俺には視えない
幽霊を視られるのも、話せるのも、触れられるのも郁だけ
郁しか視えない』」
その言葉はまるで自分に言い聞かせるみたいに聞こえた。これ以上は踏み込むなというような圧を感じる気がする。
だが、俺には感じるんだ。
轟「…ここ、俺ら以外に誰かいねぇか？」
『「…え？』」
轟「なんか、さっきから右側とお前と横に気配を感じるんだ
なんも見えねぇし聞こえねぇが、感覚的に」
『「…轟くんは、霊感があるの？』」
にこりと人好きするような笑顔を浮かべる幽辺に少し違和感を感じた。
轟「いや、ねぇと思う
見たこともねぇ」
『「…そうなんだ
俺にはわからないけど、勘違いだと思う
ここには俺たちしかいないよ』」
轟「…そうか」
確かに気配は感じるが、俺の勘違いかもしれない。
幽辺はじゃあ、と言ってまた俺に背を向け行ってしまった。
爆豪ほど顕著じゃないが、なんとなくわかる。
あいつは俺のことが好きじゃない。
別に好き嫌いは誰にでもあるからいつもなら気にならないが、何故か幽辺とは友達になりたいと思った。
体育祭での孤独を憎しみで埋めようとする苦しそうな姿を見てから、助けてやりたいと思っちまったんだ。
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ハデス - 普通に番外編として小説で世に出せるよねってくらいいい話でした。何度読んでも面白い。完結おめでとうございます (7月17日 12時) (
レス) id: b5ef1167b7 (このIDを非表示/違反報告)
ぬ - 一気読みさせて頂きました…こんなに泣ける小説初めて読んだ…これ無料でいいんですか…！？本当に素敵すぎる作品を生み出してくださってありがとうございます…！！！ (2023年3月30日 8時) (レス) @page19 id: 267167a797 (このIDを非表示/違反報告)
引きこもり隊 - 読んでてこんなに泣いたの初めてだ。もう、本にして売れると思います。素晴らしい作品を作ってくれてありがとうございます。 (2022年8月6日 16時) (レス) id: af8345609d (このIDを非表示/違反報告)
ニャノこ - とても感動しました。これまで色々な話を見てきましたがこれほど自分の中で共感できる話はありません。翼くんと郁くんがまたあえることを願っています。 (2022年7月27日 22時) (レス) @page19 id: 7687561dfd (このIDを非表示/違反報告)
麗(プロフ) - 物凄く感動しました。終わり方も物凄く綺麗で納得の行く感じで、占ツク中毒者ですがここまで素晴らしいと思った作品は初めてです。これを無料で読めるこの世界に感謝、っていうレベルです。笑 書いて、共有してくださり本当にありがとうございました！ (2022年5月1日 1時) (レス) @page19 id: b375adba0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：すえさん
| 作成日時：2019年10月25日 7時
