アソビゴコロ 〜Wedding？〜７【川村壱馬】

悪魔 ページ47

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『壱馬先輩の…特別は？』


壱｢え？何その質問｣


『教えてください』


壱｢はぁ〜？特別…｣






天井を仰ぎながら何やら考える壱馬先輩
わたしが欲しい答えなんて返ってこないってわかってる
でも期待しちゃうの

わたしにとっての特別は壱馬先輩だから
同じだったらうれしいなぁって

もしそうだったら
不安なんて感じなくて済むもん






壱｢…今｣


『今？が何ですか？』


壱｢だから、今｣


『…ん？』


壱｢…今が、特別｣






曇りのない瞳が本音だって物語ってる
今、って…






『なう…たいむ？』


壱｢なんで英語にしたんだよ｣


『だって、ちょっとどういうことかわかんない…』


壱｢相変わらず鈍いな。よーく聞いとけ｣






そう言うとわたしの耳たぶを横に引っ張る
ズイ、と顔を近づけてきて
整いすぎてもはや訳の分からない壱馬先輩がわたしを見つめた






壱｢こうやってAと当たり前みたいに話して一緒にいる今が特別だって言ってんの｣


『…へ、』


壱｢…二度と言わねぇから｣






わたしが欲しい答えを遥かに超える答えが返ってきた
理解に苦しむくらいうれしい答え

好きすぎて、ぎゅう…って壱馬先輩に抱き着いた






『…ごめんなさい』


壱｢何が｣


『ヤキモチ妬きました』


壱｢…何に？｣


『………夕方、一緒にいた…女の人に』






きっと情けない顔してるから
顔が見えないように壱馬先輩の胸に押し付けた

わたしが言いたいことをわかってくれたのか
背中を柔らかくトントンしてくれた






壱｢見たの｣


『…通りかかったんです。今日は帰りが遅くなっちゃって』


壱｢何だと思った？不倫された〜って？｣


『…言いたくない』


壱｢なんでだよ｣


『…自分が汚いなぁって、思うようなことばっかりだったから』






壱馬先輩を疑うみたいな、嫌な考え
そんなこと思ったなんて知られたくない






壱｢…今どんな顔してんの｣


『…いろんな感情でぐちゃぐちゃしてる顔』


壱｢見せたくない？｣


『…うん』


壱｢ざーんねん｣


『ひゃっ、！？』






脇の下に手を差し込まれ
赤ちゃんをあやすみたいに持ち上げられる






壱｢…俺さぁ、Aのそういう汚い感情滲み出た顔好きなんだよね｣


『悪趣味…っ』


壱｢俺ばっか振り回されるから…たまにはいいじゃん。ヤキモチ｣


『やだ…！』


壱｢もっと妬けよ。…24時間俺のこと考えとけば？｣






ずるい…悪魔だ




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