アソビゴコロ 〜Wedding？〜７【川村壱馬】

おやすみやさい ページ38

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もう絶対小芝居なんかしない…
そう心に誓いながら壱馬先輩の腕をそっとどかす






『い…っ、』






乾いた喉を潤そうとキッチンに行くために立ち上がろうとすると
激しさを思い出させるような痛みが腰に拡がった

腰をさすりながらゆっくり立ち上がって
落ちてるであろう服を探す
あれ、わたしの服が見つからない
掴んだ服は壱馬先輩の部屋着

…寝てるし、借りちゃお

すぽ、と大きいTシャツはわたしの体を膝上まで隠してくれる
キッチンで水を飲んで、ふぅ〜と息を吐いた

リビングに置きっぱなしだったスマホを取って時間を確認する
もう朝の4時じゃんか…

時刻の下にある通知を見てたら
星羽くんからメッセージが来てた

さっき言ったけどもっかい！
おやすみやさい！

…かわいい
癒される〜…、痛い腰も浄化されそう…
誤字っちゃったのかな
おやすみやさい、って






『かわいい…』






返事できなかったな
朝になったら おはよう って返そう
星羽くんのかわいさに癒されてベッドに戻る

朝シャワー浴びたいからちょっと早めにアラームかけよ

ベッドに座ってアラームの時間を決めてたら
モゾ…と壱馬先輩が動いて太ももの上に頭が乗った






壱｢…俺の水は｣


『起きると思ってなかったから持ってこなかったです…。持ってきますか？』


壱｢…ん、いい｣






わざとか無意識かわからないけど
太ももの間に手を滑らせてそのまま眠りにつこうとする

これじゃ寝れないよ、と思いながらも
壱馬先輩の頭を撫でる






壱｢…俺の服｣


『あ、借りちゃいました』


壱｢…煽ってる？｣


『…え？』


壱｢…ふは、うそ｣






壱馬先輩は体を起こして
わたしをまた包み込むように隣に寝かせる
アラーム…と呟くところを見ると
わたしの頭の後ろで
どうやらわたしのスマホをいじってる

時間だけ確認したのかと思ったら
急に チッ と軽く舌打ち

え！？って思ったら
とっても小さい声で






壱｢おやすみじゃねぇよ…｣






と通知を見てしまったのだろう壱馬先輩は
星羽くんに文句を言った

ムッとする壱馬先輩に きゅん として
思わず抱きついて首筋に顔を埋める






壱｢…くすぐったい｣


『…おやすみやさい』


壱｢…星羽の真似してんじゃねぇよ｣


『かわいくないですか？』


壱｢全然。全く｣


『癒されるマスコットみたい、星羽くん』


壱｢…ここまでだとあいつも不憫だな｣






壱馬先輩の言った真意はわからないまま眠りについた




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