想い ページ4
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星「僕たちにそんなに気を遣わないでください、と。そしたら旦那さんは優しい顔で笑いながら、奥さんが大事にしたいものは自分も大事にしたいんだ、と言いました」
星「それから、将来子どもが産まれた時のために困らないようにしておきたいから、と言います。そんな心配いらないくらい、妖精も双子も、旦那さんが大好きでした」
星「ある日、旦那さんは、奥さんに何かプレゼントを渡したい、と妖精に言いました。なんで僕に言うんですか?と聞いたら、お前が好きな人には毎日プレゼントを渡したいって言ってたから、と少し恥ずかしそうに言いました」
星「一緒にお店に行って、奥さんが好きそうなものを探して買いました。旦那さんは、すごくすごくうれしそうな顔をしていました」
星「…だけど、旦那さんが奥さんにプレゼントを渡すことはできませんでした」
星羽くんはそこまで話し終えて
部屋の押し入れから袋を出して持ってきた
星「今日まで渡せなくて…、ごめん…っ」
下を向いて袋を差し出してくる
起き上がって袋を受け取り、中身を見る
飲んだことのない味の紅茶や
わたしが好きだと言った紅茶の詰め合わせが入ってた
この紅茶が好きだってことは
壱馬先輩にしか…言ったことのない話
星「俺から渡すのはなんか違うなって思ってて、でも壱馬さんの想いはAせんせーに伝えたくて…。遅くなっちゃって、ごめんなさい」
『…』
星「壱馬さん…、Aはガキだから苦いの飲めないんだ…って、笑いながら言ってた」
『…、』
星「でも俺のためにコーヒーばっか買ってくるから、俺が買ってやんないと…って、」
『…っ』
星「いつも…何話してても…絶対Aせんせーの名前出てきてた。俺がいないとたぶんあいつ生きてけないから、しょうがねぇから一緒にいるって…言ってたから。だから絶対壱馬さんは帰ってくる、帰ってくるよ…」
星羽くんの話が嘘じゃないってことはすぐに気づいた
言葉が壱馬先輩だもん
少し上からな物言いとその中に隠された優しさ
星羽くんたちとよく遊んでいた理由も
わたしにプレゼントしたいって思ってたことも
全然気づけなかったよ
壱馬先輩は内緒にするのが上手すぎるな
困っちゃう
わたしは何でもバレちゃうのに
事故に遭った日に買いに行ったものなんだね
星羽くんはずっと葛藤して
悩んで悩んでわたしに渡してくれた
下を向きっぱなしで顔を上げてくれないから
今度はわたしが頭を撫でた
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ka - 最後のセリフ最高です、、泣 (2020年8月7日 2時) (レス) id: f02151f772 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - お忙しい中、更新ありがとうございます(; ;) (2020年8月2日 13時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
みんと(プロフ) - 壱馬先輩に嫉妬するのに自分は男の子に頼るのダメよーーー( ; ; ) (2020年7月31日 2時) (レス) id: 4132465481 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 更新ありがとうございます(泣) 主人公ちゃんの気持ち、めちゃくちゃ分かりますー!!色々あったから、不安になっちゃうんですよね…。主人公ちゃんのモヤモヤが晴れますように。 (2020年7月26日 14時) (レス) id: 3116574168 (このIDを非表示/違反報告)
マンゴー(プロフ) - 今日の投稿おしまいですか?? (2020年7月26日 14時) (レス) id: 9c9baad857 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2020年5月3日 17時