アソビゴコロ 〜Wedding？〜７【川村壱馬】

黒 ページ29

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教育実習についての授業を受けて
必要かなぁって思ったテキストを書店に買いに来た

壱馬先輩はバイトがあるから
ご飯を作るまで少し余裕がある

こう見るとテキストってたくさんあるなぁ
どれ買えばいいのか迷っちゃう
う〜ん…、壱馬先輩に相談したいけど
今日買って帰りたいよ〜、






＊｢あの〜…｣


『え、わたし？』


＊｢あ、やっぱり！私服だから迷ったんすけど熊城先生っすよね！｣


『えっとー…、あ！松田くん！』






前の教育実習の時の体育の時間に話しかけてくれた松田くん
野球部で、確かピッチャーやってるって話してた

覚えててくれるなんてうれしい！






『今日部活はおやすみ？』


＊｢あー…、実はちょっと肩痛めちゃって。病院行ってきた帰りっす｣


『大丈夫なの！？』


＊｢そんな大袈裟な怪我じゃなかったから。星羽に比べたら全然、笑｣


『しょう、って中村星羽くん？』


＊｢熊城先生、星羽と仲良かったっすよね？あいつ、事故に巻き込まれて左手骨折したんすよ！今日一緒に病院行ってきましたよ〜｣






…そっか、
みんなはわたしと星羽くんがこんなに交流があること知らないんだよね
当たり前だけど
何だか特定の生徒と仲良くしてる罪悪感に今更苛まれる

最近、会ってなかったな
元気なのかな






＊｢星羽とも話します？｣


『え？いるの？』


＊｢たぶんマンガの方にいますよ｣






俺、参考書探してから行きますね〜 って言うから
ひとりでマンガのコーナーに来た
普段少年マンガなんて読まないから
このコーナーには初めて来た

歩いていると
真剣な顔して棚のマンガを見つめてる星羽くんを見つけた

横顔は変わらないけど
髪の毛が真っ黒になってて
一瞬ほんとに星羽くんかどうか疑った

少し梳いたようなサイドの髪がスッキリしてる
髪の色が違うと全然イメージ変わるなぁ






『お客様、何かお探しですか？』


星｢えっ！あ、いや、この漢字なんて読むのかなぁって考えてただけで…ってAせんせ！？｣


『ふふ、ちょっと久しぶり…だね？』


星｢なんで店員のフリして話しかけてくんの〜笑｣


『すごい真剣だったから！笑』






正面から見た黒髪の星羽くんは
同じ色なのに
壱馬先輩の黒とは違って見えた




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