アソビゴコロ 〜Wedding？〜７【川村壱馬】

従順な犬 ページ22

壱馬side.




Aが半身浴するって言うから
先にシャワー済ませてベッドに居た

携帯で結婚式について調べてたら
プランとかごちゃごちゃしすぎてていまいち頭に入ってこない
まぁ…、Aの好きなようにやらせてやりたいし
俺が気にするのは予算くらい、か

相場は調べてたし、大丈夫だと思う
…あいつが相当凝らなければ
でもAは、あんまり派手なのは好きじゃなさそうだな
こじんまり、お世話になった人だけ…とか
小さい規模ので満足しそう

だとしたらちょっと余裕…出るか？
せっかくの式だし、違う指輪でも…って






壱｢貢ぎすぎだろ…｣






気づけば何でもかんでもあいつにって思ってる自分がいる
そんな自分に嘆息して、結婚式のサイトを閉じた
指輪もらいすぎてもしょうがねぇだろ
…でもやっぱ、特別だし何かしたい

考えたら風呂から出てくる音がした
すぐに寝室に来るかと思いきや
テレビの音が聞こえてきた

…は？
あいつ俺がこっちいんのに…






壱｢A｣


『はいっ』






少し大きめに名前を呼んだら
秒でドアが開いてベッドに飛び込んできた
つけたテレビもそのままに
俺の声に反応して






壱｢…犬｣


『…わん？』


壱｢ふは…っ、なんでもない｣






すぐに来てくれたことだけで満足できる俺って…

恥ずかしさを感じて
隠すようにベッドに寝転んだ






『え〜、なんかあったんじゃないんですか？』


壱｢なんでもないって言ってんじゃん｣


『じゃあ、ぎゅってして戻ります』


壱｢…まだ寝ねぇの？｣


『お水飲んだら寝ます』


壱｢あっそ｣






なんでテレビつけたんだよ、と心の中で突っ込んで
ごろん、とAの方を向く
あぁ、甘えたの顔
俺だけに見せる、かわいい顔






壱｢…おいで｣


『〜〜っ、壱馬先輩しゅきぃ！！』


壱｢はぁ？引くわ｣






首元に顔を埋めて
バカみたいに好きを連呼する
好きってまともに言えてねぇし
なんなの、こいつ

しっぽが見える
ぶんぶん振って喜んでる
俺にだけ従順な犬






『よしっ、お水飲んで来ます』


壱｢無理｣


『何が…っ』


壱｢…これ｣






がっちりAを掴んで離れないようにした
細い体に、今ので反応してしまった俺のを押し付ける
それに気づいて顔を赤くして言葉を止めた

…はぁ、さっきのどこに興奮する要素があったわけ？
Aだけだわ、こんなになんの




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