アソビゴコロ 〜Wedding？〜７【川村壱馬】

ギラギラ ページ19

.




真っ先に吉野先輩たちに連絡して
バイト先にも連絡して
そういえば樹くんたちとご飯行くって話してたね
なんて言ってる最中






壱｢母さんとこ、行こっか｣






びっくりした
壱馬先輩から会いに行くって言うなんて珍しい






壱｢お前の親のとこにも。土曜日だし、家にいるよな｣






なんでまた突然…
親に会いに行く理由
頭の中で必死に考えてた

そこで思い出した
結婚式の話
具体的にいつしようって話は出てなかった

こんなに大好きな壱馬先輩がお嫁にもらってくれただけで
全米が泣いたレベルの感動物語なのに
早く結婚式を挙げたい、だなんてわがまま言えなくて

だけど叶えたい夢のひとつだった、結婚式






『招待…するため？』


壱｢…さすがに親には自分たちの口から言うべきだろ｣






ふい、と顔を逸らす壱馬先輩の耳はほんのり赤くて
照れくさいんだなぁって自然と笑みがこぼれる






『まず壱馬先輩のお母様のとこに行きましょうね！』


壱｢お前ん家の方が近いだろ。そっちから｣


『えぇー…』


壱｢心配いらねぇよ。ひとり娘の結婚式なのに来ないわけねぇって｣






…見透かされた
ちょっと不安だった
お父さんとお母さん、また家族になれたけど
わたしになんか興味ないんじゃないかなって

普段連絡してくるわけでもないし
結婚式するって言っても
おめでとう〜、ぐらいで済まされてしまいそうな気がした

…でも、壱馬先輩の言葉のおかげで不安が小さくなった






『ありがとう、ございます』


壱｢…何が？｣






ぶっきらぼうな返事
それも全部、照れ隠し

いつもより大人っぽい服を選んで
髪を結んで、外に出た

ジリジリと焦げつくような太陽の下
壱馬先輩のバイクに乗って家に向かう
…いつぶりだろうな
急に行ってびっくりされないかな




＿＿＿＿＿




母｢ドレスは！？式場は決まってるの！？｣


『え、と…これからだけど…』


父｢せっかくの晴れ舞台だ…！父さんもビシッと決めなきゃな…｣


『お、落ち着いてよ…』






わたしの不安なんか一瞬で吹き飛んだ
久しぶり〜！と迎えられて
何故かケーキなんて出てきて
壱馬先輩が結婚式の話したら
目をギラギラさせながら話が止まらない

2人の余りの盛り上がりように若干引いてたら
壱馬先輩がヒジでわたしをつついた






壱｢お前より張り切ってんな｣






少しおかしそうに、困ったように
眉を下げて笑った




.

魔法→←卒業したら

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す