強い人 ページ10
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頭がついていかない
意味がわからないけど
慎くんは至って真面目な顔をして聞いてる
思い当たる節もないから
ふるふると首を横に振ると
うーん、と頭を傾げた
慎「じゃあ、きゅまさんじゃないのかな」
『どうしたんですか、急に』
慎「昂秀っていう友だちがいるんですけど、この前帰る時に下駄箱の前でめちゃくちゃ怪しい動きしてた奴を見たらしくて。気持ち悪いからそいつがいなくなるまで見てたら、誰かの下駄箱開けて覗いて帰ったそうなんです」
『うへぇ…、なんだそれ』
慎「そいつが何か落としてったから拾ったら、きゅまさんの名前と何時に何してたとか、誰と話してたとか細かく書いてあったらしいっす」
『わたしの…名前?』
慎「うん。ひらがなで下の名前だけだったからきゅまさんって確信は持てなかったけど、そいつがいた下駄箱がきゅまさんのクラスだったから、もしかしてって」
樹「…普通にやばくね?それ」
わたしの名前と…
何してたか、誰と話してたかのメモ…?
ぞわぁ、と鳥肌が立つ
気持ち悪い
もしそれがほんとにわたしのことだったら
学校でずっと誰かに見られてるってこと?
慎「あ…、きゅまさんごめん。不安にさせたかったわけじゃなくて、」
『ううん…。わたしだって確信ないんだもん、大丈夫…』
樹「でも、もし何かあったら大変だし、常に誰かといた方がいいよ」
慎「女の子同士だとちょっとこわいから…男がいたらいいんだけど」
樹「クラスでは俺が一緒にいれるよ。それこそ今日みたいに送り迎えを壱馬さんにしてもらうとか」
『壱馬先輩は…忙しいもん』
心配してくれてるのはわかるけど
こんなに真剣に話されると
ほんとにストーカーがいるのかな、とか思って不安になっちゃう
壱馬先輩にも迷惑かける訳にはいかないし
わたしが気にしなければ大丈夫だよね
『2人ともありがとう!大丈夫だよ、これでも壱馬先輩にちょっと空手教えてもらってるんだ〜』
樹「…男倒せそうには思えないけど」
慎「守ってあげなきゃ系女子じゃないすか。どう見ても」
『し、失礼な…』
確かに強そうな容姿じゃないけど…
わたしは何にも負けないんだから
実は壱馬先輩には言ってないけど
壱馬先輩の熱烈ファンからのちょっとした嫌がらせは続いてる
全然耐えれる程度だし
ユウちゃんが助けてくれるから言ってない
わたしは、壱馬先輩に見合うような強い人になるんだ
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mopi(プロフ) - 本当にお話素敵で大好きで土日が楽しみで仕方ないです( ; ; )これからも更新楽しみにしてます、、! (2019年7月14日 21時) (レス) id: 89fe484069 (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - 最高すぎてこっちが… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
Kissxxx(プロフ) - 土日が楽しみで仕方ない。 (2019年7月7日 8時) (レス) id: e97a57c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
apple9484(プロフ) - 早く土日にならないかなっていつも待って終わると悲しいくらいに好きです! (2019年7月6日 23時) (レス) id: 9f35d20aab (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - ぐふぉー好きすぎる!!見てるこっちも一緒にキャパオーバーしちゃいます笑笑 (2019年6月30日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年5月5日 18時