アソビゴコロ 〜Wedding？〜２【川村壱馬】

余裕 ページ44

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『ぅ、ん……』






いい匂い、する…
あったかくて、安心して、きゅんってする匂い

…あ、そっか
これ壱馬先輩の匂いだ

夢…かなぁ
夢ならいいよね、思いっきり甘えちゃっても

壱馬先輩の服をぎゅうって掴んで
頭押し付けてぐりぐり
大好き大好き大好き
壱馬先輩、大好き






『ふふ、ふ…かじゅましぇんぱぁ〜い…』


壱｢…何してんの？｣


『ん〜…？かじゅましぇんぱいがだいすきって……、』


壱｢…ふ〜ん、あっそ｣






…え、夢の中なのに壱馬先輩が冷たい
ぱちっと目を開けたら
いつも壱馬先輩が着てるジャージの色が見えた

上を見たら綺麗な顔で携帯いじってる壱馬先輩
かっこいい…、じゃなくて
もしかして夢じゃない？現実？あれ？






壱｢起きたかよ、鼻血野郎｣


『…鼻血？…え、鼻にティッシュある』


壱｢お前さぁ、風呂で気絶するとかありえねぇから。なんで怪我してんのにお前のこと運んで着替えさせて止血しねぇといけないんだよ｣


『気絶？なんで！？』


壱｢自分で思い出せ｣






お風呂、お風呂…
そうだ！！
壱馬先輩が右手が使えないから一緒にお風呂にいて…

…シャワーを自分にかけてしまい、
焦ってたら壱馬先輩に止められて転んで
壱馬先輩の甘い雰囲気にやられて
壱馬先輩に、その、あれ…をしようとしたけど
恥ずかしすぎて意味わかんなくなってくらくらして…

そこから記憶がない…
もしかしてそこで倒れたの？
しかも、え？鼻血出して？






『恥ずかしい…』


壱｢だいぶな｣


『ごめんなさい、わたし…壱馬先輩のこと助けるつもりが…』


壱｢……でも、俺も無理させた…っていうか、｣


『…え？』


壱｢…いじめすぎた。……ごめん｣






わたしの顔を見ないようにして
小さく小さく謝ってくれた

…こんなに愛おしい人、他にいる？

しかも、勝手に倒れたわたしなんて放っておけばいいのに
運んでくれて
着替えさせてくれて
止血までしてくれて…

優しい、優しすぎるよ

みっともない彼女でごめんなさい
壱馬先輩の隣に自信持って立つには
まだまだ努力が必要みたい


…ん？待って、
着替えさせて、くれて…？

バッ！と起き上がって着せられてたパジャマの下を確認した
つけた覚えのない下着






『壱馬先輩、全部、変えてくれたんです…？』


壱｢濡れたまんまじゃ風邪引くだろ｣


『…っ、』






もう、壱馬先輩って…なんでそんなに余裕なの！！！




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