マスク男 ページ38
.
他の生徒に会わないように、と
いつも学校に来る時間とずらして来た
門がしまるギリギリの時間
バイクから降りて
壱馬先輩に脱いだヘルメットを渡した
『ありがとうございました!』
壱「下駄箱までついてく?」
『ううん、大丈夫です。もう生徒もあんまりいないし、走って行くので!』
壱「…そ」
行ってきます!と壱馬先輩に手を振る
離れたくない気持ちを押し殺して前を向いた
数歩進んだ所で振り返ったら
まだわたしのこと見てくれてて
振り返ったことが恥ずかしくなる
…全然大丈夫じゃないって思われたかな
笑顔を向けてまた前を向く
もう振り向かない、振り向かない…
…やっぱりもう1回だけ
バイクが走る音がしないから期待して見たら
まだ壱馬先輩はそこにいてくれてる
いつもと変わらぬ顔でゆるゆると手を振っている
………好き
最後に1回だけぎゅーってしてもらお…!!
そう思って壱馬先輩に向かって駆け出す
さすがに壱馬先輩も不思議に思ったのか怪訝な顔をしていた
壱馬先輩は一瞬、左に視線を向けて
なにかを見たあと、バイクを降りながら
壱「A、止まれ!!」
と、大声で叫んだ
周りにちらほらいた人たちは一斉に壱馬先輩を見て
わたしはいつもの癖で壱馬先輩には逆らえずに体が止まる
壱馬先輩がこっちに来ようとしたら
左からカバンが飛んできた
思いっきり壱馬先輩に当たって、壱馬先輩の足が止まる
無意識で駆け出した
なんでカバンが飛んできたのか考えもせずに
門から誰かがこっちに走ってくるのも気づかないくらい
壱馬先輩しか見えなかった
急に視界が暗くなって
どん!と強く肩を押される
その衝撃で尻もちをつき
痛みに目をつぶった
?「大丈夫…?A…!」
『だ、れ…っ!?』
?「誰って…君の本当の彼氏だよ…?」
目を開けたら目の前にマスクをした男が立ってて
狂った瞳でわたしにナイフを向けていた
な、にこの人…
壱「…てめぇか。Aのストーカーってのは」
?「あぁ…、自称Aの彼氏の川村壱馬さんじゃないですか…!」
壱「…離れろよ」
?「は…?誰に向かって口きいてんだ…。こっち来てみろよ。Aもお前も殺してやる…!」
恐怖で動けないわたしをマスク男は無理やり立たせて
後ろから体を押さえつけ、首にナイフを突き付けた
.
3363人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
mopi(プロフ) - 本当にお話素敵で大好きで土日が楽しみで仕方ないです( ; ; )これからも更新楽しみにしてます、、! (2019年7月14日 21時) (レス) id: 89fe484069 (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - 最高すぎてこっちが… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
Kissxxx(プロフ) - 土日が楽しみで仕方ない。 (2019年7月7日 8時) (レス) id: e97a57c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
apple9484(プロフ) - 早く土日にならないかなっていつも待って終わると悲しいくらいに好きです! (2019年7月6日 23時) (レス) id: 9f35d20aab (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - ぐふぉー好きすぎる!!見てるこっちも一緒にキャパオーバーしちゃいます笑笑 (2019年6月30日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:れもん | 作成日時:2019年5月5日 18時