守りたい ページ27
壱馬side.
『壱馬先輩!』
壱「…ん」
『もう…見てくださいよ』
壱「やだよ、別に見なくても分かるし」
『あっ、照れちゃいます?』
壱「…は?」
『な、んでもありませんです…』
一度家に寄ってから
着替えさせてショッピングモールに来た
賑やかで人が多い場所は好きじゃないけど
いつまでも俺以外の男に頼られたんじゃたまったもんじゃねぇ
おかげでダサいとこ見せたし…
俺が好きな感じの服をさり気なく教えて
これからはそれ着とけよって口にしなくても分からせたくて
一緒に服見て似合いそうなやつ何着か買ってやった
Aはその中でもいちばん気に入ったのを着て
たぶん俺にかわいいってほめられたくて
無駄に視界に入ってこようとする
壱「何かしたいことねぇの」
『え?うーんと…あっ!この前オープンしたばっかりのタピオカのお店行きたいです!』
壱「…タピオカ?」
『はい!こっちです!』
テンションあがって前のめりなA
土曜の午後ということもあって人は多い
はぐれられちゃ困る
『あっ、』
壱「先行くな」
『ご、めんなさい…。あの、手…』
壱「…嫌なら離すけど」
『離さないでっ、!』
壱「ふは…っ、必死かよ」
『だって…壱馬先輩と手繋いで歩くの…久しぶり、』
繋がれた手を見て
うれしそうに微笑んだ
…どこにも連れて行ってやってなかったからな、最近は
バイト、減らしてやろうかな
『あそこで…、す…』
壱「…めっちゃ並んでんだけど」
『壱馬先輩、並ぶの嫌ですよね…。空いてるとこ行きましょ!』
タピオカの店とは反対の方に俺の手を引こうとした
だからその手を逆に引いて
自分の方に引き寄せた
『壱馬先輩…っ?』
壱「行きたかったんだろ」
『でも、』
壱「…俺と行かないで、違う奴と行かれる方が、嫌…つーか、」
『え?』
壱「…っ、なんでもねぇよ!いいから行くぞ」
…バカかよ、俺は
ちびクマ相手に何言ってんだ
Aは申し訳なさそうにしながらも
俺の隣でうれしいのを隠せていなかった
…きっと、周りとかAが思ってるより
俺はAに染まりすぎてる
でも、ろくな育ち方してないから
ずっと独りだと思って生きてきたから
いまだに…愛し方が分からない
泣かせたいわけでも
困らせたいわけでもない
ただ、守りたいんだ
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mopi(プロフ) - 本当にお話素敵で大好きで土日が楽しみで仕方ないです( ; ; )これからも更新楽しみにしてます、、! (2019年7月14日 21時) (レス) id: 89fe484069 (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - 最高すぎてこっちが… (2019年7月7日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
Kissxxx(プロフ) - 土日が楽しみで仕方ない。 (2019年7月7日 8時) (レス) id: e97a57c3b0 (このIDを非表示/違反報告)
apple9484(プロフ) - 早く土日にならないかなっていつも待って終わると悲しいくらいに好きです! (2019年7月6日 23時) (レス) id: 9f35d20aab (このIDを非表示/違反報告)
kano(プロフ) - ぐふぉー好きすぎる!!見てるこっちも一緒にキャパオーバーしちゃいます笑笑 (2019年6月30日 22時) (レス) id: 07e090ba1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れもん | 作成日時:2019年5月5日 18時