アソビゴコロ 〜Wedding？〜２【川村壱馬】

服 ページ26

.




息が、できない

酸素を求めて開いた唇を割って入ってくる壱馬先輩の舌
既に抜けた腰と後頭部をやんわりと支えられて逃げる力も出ない

瞳は熱っぽいのに
とろけそうな程に甘い口づけに何も考えられない

壱馬先輩の舌が触れたとこ全部
熱くて
ジンジンして
気持ちいい

角度を変えて何度も何度も絡み合い、触れ合う唇に
もう体がもたない






『かじゅ…せっ、もう…っ』


壱｢はぁっ…、全然、足りねぇ…｣


『ふぁっ…、』






無意識に足が動く
これ以上キスされ続けたら、わたし…
おかしくなる

体中に張り巡らされた快感が一気に押し寄せる
ぎゅう…！と壱馬先輩に抱きつき
必死に体の震えを押さえ込んだ






壱｢あれ…｣


『はっ…、はぁ…っ』


壱｢A…もしかして、｣






壱馬先輩が耳元に唇を寄せる
感じる吐息にさえ、体は反応してしまう






壱｢キスだけで…イった？｣


『…っ、！』






全身の熱があがっていくみたい
恥ずかしくてどうにかなりそう

何も言えずに壱馬先輩の腕の中で俯いてたら
壱馬先輩が言葉を続けた






壱｢こんな人がいっぱい見てる中でイくとか…恥ずかしい奴だなぁ？｣


『…っ！？』






肩で息をしながら周りを見たら
さっきの講義終わりの学生たちの目がわたしたちに向けられていた






壱｢…あんまそっち見んな｣


『むっ…』


壱｢…こんなとろけた顔、他の奴らに見せてたまるかよ、｣






壱馬先輩のせいです、

それさえも言えなくて
ただ壱馬先輩を見つめた

初めは何だか拗ねた顔をしていた壱馬先輩だったけど
見つめ合ってたら ふっ… と柔らかく微笑んでくれた






『きゃっ…！』


壱｢帰ろ｣






周りが一斉にざわつき出す

それもそう
きっと既に大学で人気者の壱馬先輩が
こんな人前でキスしてお姫様抱っこなんてしてるんだから






『ひ、ひとりで歩けます…！』


壱｢いいの？…濡れてんじゃねぇの｣


『ぬっ…！？』


壱｢あれ、図星なんだ｣


『…っ、今日はこのまま壱馬先輩とデートしたかったんです！』


壱｢は？やだ｣


『なっ…、』


壱｢なんで北人の服着てるお前とデートしなきゃいけねぇんだよ。罰ゲームかよ｣


『え…？』


壱｢…俺が、全部選んでやるから｣


『壱馬先輩…、大好き…！』


壱｢…知ってんだよ、あほ女｣






壱馬先輩の腕の中にいられる幸せを
何度も噛み締めた




.

守りたい→←触れられた

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す