アソビゴコロ 〜Wedding？〜２【川村壱馬】

そそっかしい ページ22

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ドキドキする胸に手を当てながら
何とか2階にやってきた

…でも、入れない
絶対怪しい人間だ
入口の前でウロウロして…みんな変だと思ってるはず、

うぅ…神よ…
わたしに勇気を…






？｢大丈夫？どうかした？｣


『へっ…！？』


？｢入んないの？｣






か、神様…？

にこにこと笑いながら教室の中を指さしてる
誰だか存じ上げませんが…救いの手をありがとうございます…！






『は、入ります…！』


？｢じゃ、一緒に行こ｣






気さくな方だ…
こんな怪しいやつに声かけてくれて、うれしいな

中に入ったはいいものの
壱馬先輩がどこにいるかわからないから
顔を上げることができなかった

声をかけてくれた人についていったら
そのまま一緒に座る流れになってしまった

お、おとこの人だけど…大丈夫かな

ちら…と隣を見たら
ん？と笑いかけられる

お、大人な感じ…






『あ、あの、ありがとうございます…』


？｢え、なに？笑｣


『入る勇気が出なかったので…。助かりました、』


？｢あー、もしかして俺と同じで学年上なんでしょ｣


『え？いや、その逆で…！』


？｢ん？逆って？｣


『あっ、なんでもないです！！！』






何言ってんだ〜…
バレちゃいけないのに






？｢まぁ、いいけど。俺、けんた。神谷健太｣


『くっ…！きゅましろ、Aです…！』


健｢きゅましろってどういう字書くの？？｣


『あ、ちが…。きゅ、ちがう！熊、城です！』


健｢え、なになに？笑｣


『熊城Aと申します、！』


健｢なんかそそっかしい子だね〜笑｣






頭の中に がーん という音が響いたようだった
せっかく吉野先輩に手伝ってもらって
綺麗になったのに…

そそっかしいって言われた…






健｢あ、そういえばさぁ、ここに俺のバイトの後輩いるはずなんだよね｣


『神谷さんの？そうなんですか』


健｢そー。でも、こっから探すのめんどくせー。てか、けんたでいいよ｣


『え…』


健｢神谷さんとか言われ慣れない｣


『じゃあ、健太…さん』


健｢うん、Aちゃん｣


『…っ、』






一瞬、ドキッとした

改めて顔見たら整った顔してる
きれい、なんか…きれいで直視できない…

健太さんの視線から逃れるように教室内を見渡した

そしたら、すぐ見つけた
大好きな、人

機嫌悪そうに腕組んで背もたれに寄りかかって
はぁ、ってため息

わたしの、せいだ…




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