アソビゴコロ 〜Wedding？〜２【川村壱馬】

おっせぇ ページ11

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『はぁ…』






樹くんと慎くんの前では強がってみたけど
実はかなり不安になってる

ずっと見てられるってことは同じクラスかなって考えたら
クラスの人みんなこわく思えちゃって
何だかいつも通り過ごせなかった

もうすぐHRが終わる
ユウちゃん、今日は彼氏さんと用事があるから一緒に帰れない
ひとりで帰るの、何となくやだ

樹くん…になんか頼ったら
樹くんの熱烈ファンのことも敵に回してしまう

どうしようかな、と樹くんを見ながら考えてたら
視線に気づいたのか、ふと樹くんがこっちを見た
まずい、と目を逸らす前に樹くんの唇が動く

｢ か え る ？ ｣

樹くんの唇は確かにそう動いた
不安になってたのバレてたのかな、
驚きを隠せずに樹くんを見つめたら
優しく微笑んでくれた

まるで 大丈夫だよ と言ってもらえてるみたいで
少しだけ安心する

あ、でも…樹くん、壱馬先輩とよく連絡とってるんだよね
わたしが不安に思ってることとか
もしかしたらストーカーがいるかもしれないとか
全部話されたら終わる

壱馬先輩に余計な心配をかけてしまう

それだけは、だめ






『樹くん…！』


樹｢ん、帰…｣


『ひとりで帰るから！今日だいぶ遠回りをしたい気分なので！』


樹｢え？いや、でも…｣


『とりあえずわたしは大丈夫だから！では！！』


樹｢あっ、Aさん…！？｣






逃げるようにして教室を出た
樹くんが慌てたように呼んできたけど聞こえないふり

心配かけちゃいけない
わたしに被害が出たわけじゃないもん

何もこわくなんかない

走って階段を降りて下駄箱に向かってたら
途中で壱馬先輩と夢の国に行った時に買ったキーホルダーが
カバンから外れて落ちてしまった

なんで〜！？

止まって拾おうとしたら
わたしが拾う前に違う誰かの手がそのキーホルダーを拾った

顔を上げたら
マスクをしてる男の人






？｢あ…｣


『ごめんなさい、ありがとう！』


？｢い、いや…っ｣


『えっと…、あっ！お礼にこれあげます！わたしが好きなあめ！』


？｢え…、いいの？｣


『うん！良かったら食べて。じゃ、急いでるので！ほんとにありがとうございます！』






心優しき人に頭を下げて靴を履き替えながら
カバンに落ちないようにしっかりとキーホルダーをつけた

よし、と校門まで走る

走って帰ったらダイエットにもなるし
壱馬先輩の元にすぐ帰れる！

そう思って校門を通ったら






壱｢おっせぇ｣




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