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碧海と純喜くんは先を歩く。
Aちゃんに合わせて数歩後ろをついていく。
翔「はいっこれ」
「え？いいの？」
翔「さっきのじゃないんだけど…
後、一個しかないから半分こでも良い？」
そう言って差し出したのは半分に割ったチョコレート。
大切に持っててくれたとか嬉しくて
今、ある最後のチョコレートだし
スーパーにもあるようなチョコレートだけど…
翔「ねぇ、溶けちゃう(笑)早くっ」
「え？！」
翔「このまま食べてっ
Aちゃんの手、汚れちゃうから」
戸惑いながらもパクって食べてくれたから
翔「美味しい？」
「う、うん」
翔「良かった(笑)」
ふと視線を感じると凄い見られてて…
って…俺、めっちゃ大胆なことしてない？！
翔「Aちゃん…」
「ん？」
チョコレートをモグモグしながらこっちを
見られたんだけど…
碧「おーい。はよせぇや(笑)」
翔「いつもの所？」
碧「そうやで」
翔「じゃあ先行って良いよ(笑)」
純「どしたん？」
「私が歩くの遅いから…」
純「じゃあ席取っといたる」
翔「ありがとうございます！」
いつもは女の子と2人とか緊張するし
苦手なんだけど
「ごめん、良かったの？」
翔「うん(笑)」
Aちゃんだからかな。
翔「あのさ？」
「ん？」
翔「美味しい？」
「うん！美味しいよ？
さっきも聞かれた(笑)」
翔「あっうん、そうだよね(笑)」
いや、そこじゃないんだよ。何で同じこと聞いたの。
でもさ、さっきの嫌だった？とか聞いて
実は…なんて言われたら俺、凹むと思うんだよね。
だから…聞かない！
「木全くん？」
翔「ん？」
「木全くんっていつもあんな感じ？」
これ、私、無理なんだよねって言われるパターンでしょ。
翔「あっえーっと…」
「何か、イメージと違ったかも(笑)」
翔「え？！それは…」
「話しやすい人なんだって思って」
良かったー…。
距離感近すぎで嫌だとか言われるのかと思ったー…。
翔「慣れてくるとね、良く喋っちゃうかも」
「なるほどね(笑)」
翔「うん」
何だろ、この感覚。
ふわっとしてるというか…
肩に力入れなくても良い感じ。
チョコレート、持ってて良かった。
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作者名：Chii。
| 作成日時：2021年10月5日 23時
