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「あー美味しかった(笑)」
拓「食べ過ぎな(笑)」
拓実くんからの告白もあったけど
だからと言ってこれからを
変えるつもりは無かった私。
拓実くんは受け入れてくれて
2人で色んな話をしながら駅まで帰ってくると
拓「じゃあまた」
「え？」
拓「見てみ？」
指をさされた先に居たのは
翔「おかえり」
「翔也？！」
拓「バトンタッチ」
翔「ありがとうございます」
拓「じゃあね」
「拓実くん！」
振り向かないまま手だけをあげて
帰っていく背中。
翔「A、ちょっと俺の家、こない？」
「え？」
翔「もう少し一緒に居たいんだけど…ダメ？(笑)」
「ううん、ダメじゃない(笑)」
はいって出された手をゆっくりと握る。
何食べたの？とか碧海がねとか
他愛もない会話を続ける翔也。
それでも絶対に離さないよ。って
言わんばかりに繋がれた手。
「翔也、あのね？」
翔「拓実くんの話？」
「うん…まぁ」
翔「もう少しで家だからさ、家でもいい？」
「わかった」
それから、会話はなかった。
なのに、手から伝わる翔也の熱は
いつもより熱く感じて
翔「はいっここ」
「わっ、綺麗にしてるね」
翔「ありがとう」
気付けば翔也の家の玄関扉が開けられていた。
中に入るとそこは男の部屋だとは
思えないくらい綺麗…
背中で扉がパタンと閉まり
リビングへ通されると
翔「座って」
2人掛けのソファに座ると
飲み物を持って来てくれた翔也も横に座る。
翔「じゃあ…聞きます(笑)」
「え？(笑)」
翔「拓実くんとの話」
「えっと…告白…されました」
翔「うん」
「でも翔也がちゃんと好きって伝えたよ」
翔「うん」
「今度、紹介してねって」
翔「もう知ってるじゃん(笑)」
「私もそれは思った(笑)」
翔「後悔は？」
「え？」
翔「やっぱり拓実くんにすれば…とか」
「ふふ、大丈夫。翔也だけ」
翔「俺も、Aだけ」
サラッと言われた言葉に
「恥ずかしい(笑)」
翔「Aも同じこと言ってるじゃん(笑)」
「…翔也となら幸せになれる気がしたんだ…」
翔「ありがとう。それは俺も」
カップをテーブルに置いた音だけが静かに響いて
翔「幸せになろう」
「うん」
翔「幸せにしてもらうとかするとかより
なろうが良いんだよね」
「うん？」
翔「与えたいし欲しいじゃん？
だから、なろうって事ね(笑)」
「うん(笑)」
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作者名：Chii。
| 作成日時：2021年10月5日 23時
