運命なんて信じない８ (ページ48)

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蓮くんと出会って本当に幸せでした。

だから蓮くん。
私が先に旅立っても悲しまないでね。
私はずっと蓮くんの隣にいるよ。

先に向こうで待ってるから
ゆっくりしてから来てね。

ずっと蓮くんが大好きよ。

舞香の手紙を読み
舞香の気持ちが心に染み込んでくる。

そして同封されていたDVDを観る。
俺と舞香が初めて演じたあのMVから始まった。
カメラは舞香を映す。
舞香はカメラに向かって話し始めた。

「蓮くん！これ懐かしいよね。次はこれね。」

次に映ったのは俺らの結婚式。
弾ける笑顔の舞香。それを幸せそうに見る俺。
周りの人たちも皆、幸せそうな笑顔だ。

「蓮くん。これから言うこと忘れないでね？」

「まず、凜。たまには蜂蜜入りの紅茶淹れてあげてね。そうすれば機嫌が良くなるの。遥香は、おにぎりの具は絶対に昆布の佃煮ね。それから梅雨時期の喘息発作に気をつけて。私たちの宝物をよろしくお願いします。」

「蓮くん。え？聞こえないよ。なあに？ふふっ、蓮くんの好きな、なあによ。これで蓮くんは大丈夫よね。」

「それから、蓮くんの隣は私。私の隣は蓮くん。だからずっと隣は開けとくね。」

「蓮くん。だーいすき。またね。」

舞香の映像が切れた。
こんなに俺を想ってくれていた舞香。
舞香……舞香の側に行きたいよ。
舞香のいない世界はモノクロなんだ。

でも、舞香が隣を開けといてくれるから
俺、もう少し頑張ってみるよ。
だから、待ってて？

舞香の手紙とDVDを見て、俺はやっと戻ってきた。

『ふっかさん、俺、もう大丈夫です。心配かけました。』

紫「そっか。舞香ちゃんからのプレゼント見つけたんだな。」

『はい。プレゼントありました。だからもう大丈夫です。』

ふっかさんに俺は伝えた。
これからは舞香の分まで生きていくこと。
そして来世でも、また舞香と恋愛することを。

紫「うん。俺も応援するよ。ずっとね。」

この日からまた親子３人に戻った。
凜と遥香は心配していたが、舞香のプレゼントのことを伝えた。
二人とも舞香を思い、初めて３人で泣いた。

「もう泣かないの。みんな大人でしょ。」

舞香の声が聞こえた気がした。

その日の夜、俺は久しぶりに眠ったんだ。
そして夢を見た。

俺は舞香に初めて出会った幼稚園年少さん。
水色のスーツに水色のリボンの舞香に一目惚れした。

『れんのまいかおねーちゃまだ！』

『れんが大きくなったらおよめさんになってね。』

この頃から、べた惚れの俺。