運命なんて信じない８ (ページ45)

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何時間経ったんだろう。
舞香と微睡んでいた俺は、舞香を起こした。

『舞香、起きて。薬飲む時間だよ？』

「……」

『舞香？おーい、舞香？』

舞香からの反応はない。

『舞香？！舞香！起きて！舞香っ！』

ガクッと俺の腕から抜け落ちそうになるのを必死で押さえた。

『ねえ、舞香！なあにって言ってよ！』

舞香からの返事はない。
舞香は俺の腕の中で永遠の眠りへと旅立っていた。
普段と変わらない安らかな顔で。

それからのことを俺はほとんど覚えていない。
俺の時間は止まってしまったんだ。

(Fukazawa side)

舞香ちゃんが亡くなったと凜から連絡があった。
俺と照の二人でめめの元に向かった。
めめは床にへたり込んで宙を見つめている。

紫「めめはずっとあんな感じ？」

凜「うん、あのままなんだ。俺と遥香が何を言ってもね。」

紫「凜。俺に任せて？」

凜「辰哉くんにお願いするよ。頼みます。」

紫「めめ？聞こえる？」

『……』

紫「めめ、少しでいいから食べな？めめが倒れちゃうよ。」

『……まいか…』

絞り出すような声で舞香ちゃんを呼ぶ、めめ。
目には光がない。まるで漆黒の闇のようだ。
俺はもう一度、めめに呼びかけた。

紫「めめ、少しでいいから。ね？」

『……ふっかさん？舞香は？ねえ、舞香は？』

紫「舞香ちゃんは眠ったよ。ぐっすり眠ってる。」

『…俺…舞香のとこ行く…舞香１人になる……』

紫「めめ！しっかりして！舞香ちゃんは眠ったの。だから起こさないであげて？ゆっくり眠らせてあげよう？ね？」

めめは舞香ちゃんのいない現実を受け入れすにいた。

『嫌だ…俺も舞香と…眠りたい…舞香のとこ行く……』

黄「目黒！凜と遥香はどうするんだ！お前と舞香ちゃんの大切な宝物だろ？目黒、お前は父親だろ。」

『…凜…遥香…舞香は？舞香は？！』

黄「目黒！舞香ちゃんは眠ったんだ。寝かしてあけるんだ。そして舞香ちゃんの、残してくれた凜と遥香をお前が守るんだ。分かるな？」

照の言葉を聞くめめは、力なく言った。

『舞香がいない……どこですか？……』

黄「舞香ちゃんはもう目覚めない。目黒、お前は舞香ちゃんの夫として、舞香ちゃんを送ってやる義務があるんだ。最期まで舞香ちゃんが大好きだったカッコいい目黒蓮でな。」

『舞香…大好き……カッコいい俺…』

桃「そうだよ、めめ。」

佐久間がめめを抱きしめた。
佐久間…こんなに早く来てくれたんだ…

桃「舞香ちゃんはめめが大好き。でしょ？」