運命なんて信じない８ (ページ37)

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そしていよいよ舞香の退院日。
ふっかさんにお願いしてたから付き添えた。

師「ご自宅でも無理はなさらないでくださいね。」

しっかり釘を刺された舞香。
ほんと、そのとおりだ。

「はい。それなりにしますね。」

『舞香、無理しませんだろ？すみません。』

師「きちんと静養して、１ヶ月後にいらしてください。お待ちしています。」

「もちろん。バリバリ働きますからね！」

やっぱり舞香は分かってない(笑)
師長さんと顔を見合わせて笑った。

4か月あまりの入院生活を後にし、自宅へ帰った。

自宅へ戻ると、玄関にはルナのお出迎え。

「ルナー！ただいま、ママよ？分かる？」

ルナは大好きな舞香の顔をペロペロ舐めてる。
舞香はもうめちゃくちゃ。

遥「ママ！おかえりなさい！」

今度は遥香が抱きついてきた。
あまり口には出さないけど、遥香は舞香が大好きだ。

「はい、ただいま。遥香また可愛くなったわね。ママ嬉しいなぁ。」

遥「そうかな？ママが言うならそうなのかも。ありがと。ほら、早く座って。ルイボスティー淹れたの。」

俺のことはそっちのけで舞香にべったり。
一応、パパも久しぶりの帰宅なんですよ？

遥香に座らされ、お茶を飲まされてる舞香。
やっぱり家に舞香がいると違うね。
ホッとして、明るくなる。
花が咲いたって言うのかな？華やかになる。

これが当たり前の光景だった。
そんなことに気がついた一瞬だった。

夕方、凜も帰ってきた。

凜「母さん！おかえり。」

「あら、凜。帰ってこれたの？」

凜「母さんの退院って言ったら帰してもらえた。どう？疲れてない？父さんと少し離れたら？」

『おい、帰ってきて早々にそれはないだろ。ママがパパと離れる訳ないしね。』

「あら、そうでもないのよ。ずっと二人だったから少しは距離おかないとね(笑)」

『ママ、それはないだろ。距離なんかなくていいの。』

遥「まーた始まったよ。でも、これが見たかったのよね。ね、お兄ちゃまもでしょ？」

凜「ん、まーね。目にすると、またかって思うけどさ。これが普通だったんだよな。うちではさ。」

遥「普通に戻れて良かった。何か涙出てきちゃう。」

「遥香？泣いたら目が腫れちゃうわよ。明日は撮影ないの？」

遥「うん、嬉しいから。明日は撮影ないの。」

舞香と子供たちの会話を眺め
当たり前の大切さが身にしみた。

おかえり、舞香。