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○11 ページ31

舞香の闘病は続いた。
治療は一進一退で、舞香自身も疲れ切っていた。
薬も何種類か試し、合っていると思うと副作用がひどくなり中断することも。


心身共に疲れ果て、舞香から表情が消えてしまった。

『舞香、ただいま。』

「おかえりなさい。」

『今日はどう?』

「…変わらないわ…」

『そっか。色々試してみよう。きっと合うものが見つかる。』

「…そうかな?あるのかな、そんなの。」

目の光が消えている。

『舞香。治療、一旦、中止しようか?』

「中止?」

『中止まではいかなくても、舞香に合うものだけにしてみるとかさ。効果ももちろんだけど、今は舞香の気持ちが潰れるよ。このままだと。』

「いいの?」

『完治してほしいのは変わらない。でも俺は舞香の気持ちが前向きじゃないならいい。辛いなら休むことも必要かな?』

「ワンクールでいいから休みたい。」

『うん、ワンクール休もう。それならきっと進行しないよ。』

そして舞香は治療をワンクール中断した。
少し気持ちが楽になったのか表情が明るくなった。







そして俺は、舞香の病気をふっかさんに打ち明けた。
あさみさんも黙っていたらしく
話を聞いたふっかさんは呆然としていた。

紫「めめ、それは本当なんだよね?」

『こんなことで嘘はつきませんよ。』

紫「あさみも何も言わなかったよ。」

『心配かけたくなかったからっすよ。ふっかさんに。』

紫「めめのスケジュール調整しよう。」

『いや、いいんです。今はまだ。』

紫「でも、舞香ちゃん。」

『大丈夫です。病室も広いし二人で過ごすにはちょうどいいんですよ。なかなか。』

紫「分かったよ。メンバーには話さない。ただ、もし本当にどうにもならない時は話すこと。いいね?」

『もちろんです。ありがとうございました。』

これで少し気が楽になった。







(Fukazawa side)

めめの話は今でも信じられない。
舞香ちゃんが、すい臓癌だなんて。
あさみからも聞いていなかったから尚更驚いた。


めめは付き添っているけど
無理だけはしないでほしい。
付き添うなと言っても、聞く耳持たないから。


めめから話を聞いた数日後のこと。
舞香ちゃんから連絡があった。

紫「もしもし?お久しぶり。どう?」

「深澤くんこそ、どう?」

紫「俺はいつもどおりよ。どしたの?」

「深澤くんにしかお願いできないことがあって。」

紫「んー?何かな。」

「会いたい人がいるの。」


舞香ちゃんが会いたい人?

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作者名:ちょ | 作成日時:2021年11月20日 18時

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