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舞香の闘病は続いた。
治療は一進一退で、舞香自身も疲れ切っていた。
薬も何種類か試し、合っていると思うと副作用がひどくなり中断することも。
心身共に疲れ果て、舞香から表情が消えてしまった。
『舞香、ただいま。』
「おかえりなさい。」
『今日はどう?』
「…変わらないわ…」
『そっか。色々試してみよう。きっと合うものが見つかる。』
「…そうかな?あるのかな、そんなの。」
目の光が消えている。
『舞香。治療、一旦、中止しようか?』
「中止?」
『中止まではいかなくても、舞香に合うものだけにしてみるとかさ。効果ももちろんだけど、今は舞香の気持ちが潰れるよ。このままだと。』
「いいの?」
『完治してほしいのは変わらない。でも俺は舞香の気持ちが前向きじゃないならいい。辛いなら休むことも必要かな?』
「ワンクールでいいから休みたい。」
『うん、ワンクール休もう。それならきっと進行しないよ。』
そして舞香は治療をワンクール中断した。
少し気持ちが楽になったのか表情が明るくなった。
そして俺は、舞香の病気をふっかさんに打ち明けた。
あさみさんも黙っていたらしく
話を聞いたふっかさんは呆然としていた。
紫「めめ、それは本当なんだよね?」
『こんなことで嘘はつきませんよ。』
紫「あさみも何も言わなかったよ。」
『心配かけたくなかったからっすよ。ふっかさんに。』
紫「めめのスケジュール調整しよう。」
『いや、いいんです。今はまだ。』
紫「でも、舞香ちゃん。」
『大丈夫です。病室も広いし二人で過ごすにはちょうどいいんですよ。なかなか。』
紫「分かったよ。メンバーには話さない。ただ、もし本当にどうにもならない時は話すこと。いいね?」
『もちろんです。ありがとうございました。』
これで少し気が楽になった。
(Fukazawa side)
めめの話は今でも信じられない。
舞香ちゃんが、すい臓癌だなんて。
あさみからも聞いていなかったから尚更驚いた。
めめは付き添っているけど
無理だけはしないでほしい。
付き添うなと言っても、聞く耳持たないから。
めめから話を聞いた数日後のこと。
舞香ちゃんから連絡があった。
紫「もしもし?お久しぶり。どう?」
「深澤くんこそ、どう?」
紫「俺はいつもどおりよ。どしたの?」
「深澤くんにしかお願いできないことがあって。」
紫「んー?何かな。」
「会いたい人がいるの。」
舞香ちゃんが会いたい人?
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作者名:ちょ | 作成日時:2021年11月20日 18時