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妹、悪戯する3 ページ20

「当たり前やん、お前らちゃんと兄妹やろ。」
「あ?!コネシマさんいつの間に?!」


どこから話が聞こえていたのか、気がつけばテラスの入り口にはコネシマが立っていて、不服そうな顔でこちらを見ていた。大きく溜息を吐いて訝しげに見ている様は、いかにも不満げで、エーミールが突然のコネシマの登場に驚いていると、コネシマはパッと顔を明るくして近寄ってきた。ころころ変わる表情に忙しいやつだなと鬱は一人笑っていた。


「エーミールこそ珍しいやん!まぁまぁそれより大先生、この前うちの妹が可愛すぎて辛いとか言っとったんは幻想だったんか?」
「別に幻想ちゃうけど?」
「なら自信もてや!!Aがお前のこと兄やと慕ってんのは明らかやろ?」
「まぁ、せやなぁ。」
「…そういえばAさんが学生時代に私に懐いてわざわざ教室まで来てた頃、大好きでほっとけない兄が軍にいると、そう話されてました。」
「Aちゃんが?そんなこといってたん?」
「それが幹部の大先生だとは夢にも思いませんでしたけど、兄の話をするAさんの顔はとても嬉しそうでしたよ。」
「鬱陶しいけどお前がAの話するときだってものっそい嬉しそうにしとるやん。めっちゃ鬱陶しいけど。そういうのってお互いを思うからこそちゃうんけ?」
「鬱陶しいは余計やけど…そうかぁ。」


しみじみとゆるく笑って呟くと、心配そうに見つめていたエーミールの顔が少しだけ安堵に戻った。コネシマは自信を持て!シスコン!と言いながら満足気に頷いて鬱の肩をバシバシと叩いた。叩かれる背中は少しだけ痛かったものの、不思議と嫌な心地はしなかった。


「あ、こんな所におったんかA。ちょっと聞きたいことあってな?」
「え、ゾム何言ってんAなんてここにおらんやろ?」
「え?この大先生ってAやろ?」
『…よくわかりましたね。』
「自分の部下ぐらい見破れんとあかんやろ、ちょっとだけ自信なかったけどな。」
「え、大先生がめっちゃ高い声・・・ほんまや、Aや!!」
「はぁ?!さっきまで大先生だと思ってたこの人が……Aさん?」
『騙してごめんなさいシッマ、エミ先生。どこまでバレないか挑戦してたんです。』
「全然分からなかった……流石何でも屋は伊達じゃないですね。」


かぶっていた鬱によく似た髪型のウィッグを取るといつもの彼女の髪と兄に寄せるようにメイクをした顔が良く見えていた。
その様子に素直に感動しているエーミールが小さく拍手をしながら褒め称えていると、照れくさそうに鬱の格好をしたAは笑っていた。

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零歌 - え、うますぎでしょ!? 憧れます‼ 続き、待ってます、! (2023年3月31日 6時) (レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…!!これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください!いつでも待ってますから!!! (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで!!そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは!いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください!出来るときにフラッと帰ってきて下さいね!それまでのんびりと待っておきます! (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2017年8月15日 21時

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