妹、舞踏する ページ13
彼女が元の場所に戻るとトントンが一人で待っていて、視線に気づくと少し嬉しそうに笑った。
「おかえり。大丈夫やったか？」
『はい、とっても理解ある方でしたよ？』
「…あー、深くは聞かんどくわ。」
『総統とオスマンさんはどちらに…？』
「ああ、あそこ見てみ。」
意味深な程に笑顔で返せば、なにかを察したらしいトントンは深くは聞かないで置くように哀れみの目で彼女の来た方向を見つめた。
彼女がさっきまでいたはずの2人のことを訪ねると、少し呆れたように視線をホール中央にむけ、視線の先には数人の着飾ったご令嬢に囲まれているグルッペンとオスマンが若干困った顔でこちらを見ているのが分かった。
「あれな、もうすぐ始まるダンス一緒に踊ってくれってせがまれとんのや。」
『お二人とも大変ですね…あれ、書記長殿はいいんですか？』
「俺は連れが戻ってくるのを待ってるって言って断ったし、あの子らみんなオスマンかグルッペン狙いやから。」
『わぁ、流石ですね…。』
「他国のご令嬢も混ざっとるようでなー、あんまり無下にできんみたいやな…っと、始まった。」
2人が会話に夢中になっていると、控えていた演奏者から品のいいワルツが流れ出した。
曲が流れ始めると次第に男女が手を取り踊り始める。色鮮やかなドレスがひらひらと踊る中、トントンは綺麗やね、と呑気に呟いていた。
「でもAが帰ってきたら帰るとかグルさん言ってたけど、あの様子だと暫く帰ってこれへんやろなぁ。」
『別に私は待つ分には構いませんよ。』
「なんなら暇だし俺らも踊るか？」
『良いですよ？』
「なんつって……えっ？」
『せっかくだから踊りましょうよ、書記長。』
「や、そんなつもりちゃうかってんけど……。」
まさか頷かれるとは思わなかったらしく驚いている彼に、クスリと笑いながら肯定するように頭を縦に降ると、頭をガシガシとかきながら視線を逸らされた。
いつもはしっかりとしたトントンが珍しくどもり、落ち着きなく視線をさまよわせている。そんな彼に相変わらずだなぁと心の中で懐かしがりながら、ニコニコとそのまま見つめていると、バツの悪そうにトントンが続けた。
「今のは冗談っていうか…。」
『でも、このまま二人で居るなら踊ってた方が声もかけられませんし。』
「あ、たしかに。」
『心配しなくてもダンスの教養くらいもってますよ。』
「そんなら……」
俺と一曲、願えますか？
気恥しそうに笑って手を差し出したトントンにもちろん、と答えながら微笑んでその手を取った。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
