妹、謁見する12 ページ12
一方、遠くからAを見守る様にして眺めている３人は、トントンが不安そうにグルッペンに訪ねていた。
「ええんですか？あんな奴に渡してしまって。」
「そう焦るなトン吉、Aは俺たちと何ら変わらない。」
「…まぁそうやけども。」
「あのクソ男に数分でも独占させるのは吐き気がするが、きっと彼女はそれ以上の動きをしてくれるだろう。」
「そうやね、ちょっとでも不審な動き見せたら俺らがすっ飛んで行くの向こうも分かっとるやろ。」
「オスマンまで……。」
ニコニコといつもの様に読めない笑顔を見せながらのほほんと言ってのけたオスマンと、自身たっぷりに余裕の表情を見せているグルッペンを見て、その自信はどこから来んねん…とため息混じりにこぼしていた。
☆
『お言葉ですが…私は、私の意志でグルッペン・フューラー総統閣下に忠誠を誓い、命を捧げています。脅された訳でも、強いられているわけでもなく、総統閣下から認められ、必要とされたからこそ直々にお声がけいただき、与えられた場所でやるべき事を行ってこの選ばれた幹部という地位に属しています。それは我々国幹部全員に言えることで、私も彼もその1人です。』
決して誰かに弱みを握られたわけでもなく、自分自身の意志でグルッペンについて行こうとしている。昔からの仲だからという理由ではなく、彼が示す未来に賛同できるからこそこの場にいるのだと改めてAは思い直していた。
『その我々が自分の意志でついて行こうという決意に至った総統の采配やご意向に、反感を持つような発言は理解いたしかねます。』
「そ、そんな、反感なんて持ってないさ。」
『反感をもっているような発言は、いくら元国王であるレミス様であろうと、お控えいただきたいのですが。』
「わ、悪かった、気をつけよう。」
『レミス様のご理解頂けて何よりです。』
グルッペンへの忠誠心に関しては語り尽くすことは難しいが、なによりその一部である幹部を、自分の上司を貶したことに関しては彼女許せることではなかった。
『万が一、このような事がまたありましたら……その時は私も我々国の幹部として、相応の態度を取らせて頂くことをゆめゆめお忘れなきよう。』
「わ、分かった……！」
『それでは、失礼致します。』
聞かなかった事に出来るほど寛大ではなく、にっこりと十分なくらいに微笑みながら放たれた死刑宣告のような言葉に、レミスは何度も首を縦に降ることしかできなかった。
その様子に満足し、彼女はきれいに会釈をしてその身を翻した。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
