妹、謁見する11 ページ11
グルッペン達から少し離れた所に行くと、辺りを見回してから大きく息をはいたレミスが少し気の抜けたように安心した顔で話し始めた。
「ふう……彼がいるとどうにも緊張してしまってね。」
『私に何か御用でしょうか？』
「用…と言うほどのものでも無いんだがね、いやぁ、見れば見るほど美しいな、君は。」
『もったいないお言葉にございます。』
「しかし、就任式の総統閣下の発言に間違いがないのであれば、あの特殊部隊の隊長補佐なんだよね？」
『はい、特殊部隊隊長のゾムの元で日々ご教示いただいております。』
言いながら、ゾムには本当に世話になっているなぁとぼんやり思い返していた。
しかし、ゾムの話を出した途端、レミスの顔が僅かに歪み、そして窓の外を向くようにま背を向けられてしまった。先ほどの明るいテンションとはうってかわって、少し不機嫌なくらいの態度で話し始めた。
「あのどこから出てきたのかわからんような男。味方最大の脅威とまで言われているじゃないか。そんな野蛮な男のいる部隊に、君のような美しい子を置くなんて…総統閣下の真意が分からぬよ。」
『……我々のゾムは別に、信頼が無いことは決してありません。』
今でこそ実力主義な体制が整ってきている我々国であるが、グルッペンが派遣を握るまでのレミス国の行う政治官僚は、たしかに上流の身分の者で囲まれていたと思い返す。今だからこそ、総統という立場で国のトップに立つグルッペンが、彼の目に止まった幹部を集め、実力の備わったものに政治の実権を握らせている状況から考えて、レミスの政治思想や価値観には余程合わない事をしているのだろう。ゾムはどこ出身なのか未だに謎らしいが、少なくとも自国ではなくて、得体のしれない人物だからこそ、レミスは彼が気に食わないのだろう。
当たり障りのないよう細心の注意を払いながら彼の発言にそっとフォローを入れた。
「もちろんそれは承知の上だよ？だが…私だったら、君をそんな場所になんか置かずに、もっと傍に置くけどね。」
『傍に……ですか。』
「私の家に来る気はないか？私はね、美しく可憐な君のような人物は、相応の場所で守られてしかるべきだと思っている。」
つまりは彼はAを引き入れたいと、そういうことを言っているのだ。その発言とおおよそグルッペンや幹部達が彼を厭う理由が何となくだがわかった気がする。彼女は心の中でそっと苦笑いをした。
しかしそれをと頷くわけではなく、一連のレミスの発言に思うところもあったため、冷静に口を開いた。
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零歌 - え、うますぎでしょ！？ 憧れます‼ 続き、待ってます、！ (2023年3月31日 6時) (
レス) @page36 id: 2cc0278ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ヒメル(プロフ) - 面白いところで終わってしまった…！！これからも、気長に作品更新を待っているので無理のないようにしてください！いつでも待ってますから！！！ (2022年8月17日 9時) (レス) @page36 id: 803f58ab86 (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - 小雨さん» こんな更新停滞小説にコメントありがとうございます神作品などありがたいお言葉まで！！そのうちひょっこり現れたらまた楽しんでいただければと思います。 (2020年11月22日 17時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
小雨 - 歴さん。こんにちは！いやー見た瞬間に神作品だと分かりました()更新無理しないでください！出来るときにフラッと帰ってきて下さいね！それまでのんびりと待っておきます！ (2020年11月9日 10時) (レス) id: 459de324fd (このIDを非表示/違反報告)
歴(プロフ) - めっぴぃーさん» こんな更新されてるかも分からん作品にありがたいコメントありがとうございます。のろのろ具合は変わるかわかりませんが、気長に待っていただければと思います。 (2019年1月5日 2時) (レス) id: 957608dc41 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：歴 | 作成日時：2017年8月15日 21時
