ep.58 ページ10
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「ハリー、久しぶり……いつ来たの？」
「ついさっき、それよりどうしたの？どっちかわからないけど＿＿」
「ああ、フレッド？さっきからずっとあんな調子」
ムスッとした顔でジョージにパンチを喰らわせているフレッドをちらりと見て、Aはくすくすと笑った。
普段はジニーくらいにしか向けないような優しい笑顔に、ハリーはひどく驚いて自分の頬を抓った。
「君＿＿本当にA？なんていうかすごく……」
「普通？」
「そう……いやそうじゃないけど…」
「大丈夫だぜハリー、みんなそう思ってる」
ロンはコップにかぼちゃジュースを注ぎながら口を挟んだ。
同じ屋根の下で兄と友達がイチャイチャしているのが気に食わないらしく、何かとすぐに顔を顰めて偏屈なことを言ってくるのだ。
「あら、ロンだってきっと恋人が出来れば気持ちがわかるわよ」
「そういうお前は？偉そうに言うなよジニー」
「誰に……誰に恋人がいるって？」
さっきまでハリーを捕まえてマグルの色々を聞いていたアーサーは全く状況が呑み込めず、また目を白黒させている。
ジニーはAに目配せをして「誰にもいないわ、パパ」と答え、何か言おうとしていたロンの口にパンを突っ込んだ。
「明日の朝にはハーマイオニーも来るって……パパったら、楽しみにしとけって言うだけでどこに行くかちっとも教えてくれないんだから！」
テーブルの下で足を触ろうとしてくるフレッドの手を叩き落とし、Aはそっとジニーの髪を撫でた。
「あら、私は知ってるけど」
「嘘！どこに行くの！？」
「言わない。パパさんと約束したから……でも絶対あなた喜ぶわよ、保証する」
ジニーは途端にウキウキとした顔になり＿以前も同じような事を言われて期待して行ったらマグル製品の博覧会だったため、少し疑っていた＿、ビーフシチューを口に運んだ。
*
「俺はまだ一回も愛しの彼女とキスをしていない」
「それは由々しき事態だな相棒」
「ちなみに半分はお前の邪魔のせいだぞ、ジョージ」
にやにやと笑って謝る真似をするジョージに枕を投げつけ、フレッドはベッドに沈みこんだ。
「そもそも俺たちは恋人っていう認識でいいのか？手も繋がせてくれないしキスもさせてくれない…」
「らしくないな、一発かませば大人しくなるだろ」
こんなにしおらしいフレッドを見たのは初めてで、ジョージは うぇ と舌を出した。
キスまで何ヶ月かを明日ロンと賭けてやろうと決心し、枕を投げ返したジョージは部屋の灯りを消した。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
