ep.95 ページ47
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第三の試練の日になっても、Aは極力面倒からは逃げ、絡まれたら悪い女になりきって相手を泣かせる というような破滅的なやり方を続けていた。
フレッドは最初こそ心配していたが、今では 怖い女 というイメージが着いて可愛い彼女に擦り寄る男がぐんと減ったことに喜んでさえいる。
「今日、あなたのお兄さん来てらっしゃる？」
「来てる。家族総出でハリーの応援だ、チャーリーだけ仕事で来れなかった」
「ジニーが背の高い赤毛の人といたから＿＿＿＿」
「フレッド？」
会場に歩いている途中、後ろから優しそうな大人の男の声が聞こえて振り返ると、さっきジニーが腕にくっついていた人がいた。
フレッドが ビル と呼んだその人はフレッドに 久しぶり と笑いかけ、その隣で居心地悪そうに立つAを目に捉えた。
Aは無言で会釈をして立ち去ろうとしたが、フレッドに腰を掴まれて隣に戻される。
「ちょっと」
「ビル、紹介するよ。俺の彼女のA」
ビルは新聞を読んだのだろう、優しそうな顔に微かに苦いものを浮かべて弟と隣で縮こまるAを見比べた。
「フレッド、母さんも言ってたけど……」
「やめろよビル」
不穏な空気にAは逃げようとしても、フレッドの大きな手に優しく、しかし力強く捕まえられて叶わない。
「新聞はどこまで本当なんだ？」
「どこまでって」
「お前に聞いてない。A、初対面でこんなことを聞いて悪いけど＿＿＿＿」
Aは小さく首を横に振った。
「家族のことと闇の印のことは本当です、でも男は侍らせてない」
「俺以外としてないよな？」
「ちょっと本当に黙っててくれる？あなたが話に入るとややこしくなるの……あと、魅惑魔法もかけてません」
「ルーピンも俺は正気だって言ってた」
「なんであなたがそれを知ってるの？」
「グレンジャーが……」
ビルはグリンゴッツ魔法銀行に務めているが、それ以前にホグワーツを主席で卒業した秀才である。
今目の前で彼女に腕を叩かれている弟が魔法で操られているわけではないことは、彼の目から見て明らかだ。
ビルは少女の前にしゃがみこみ、頭を撫でた＿すぐにフレッドに弾かれたが＿。
「母さんの説得は俺より難しいよ、わかってるね？」
フレッドは小さく頷き、Aを抱き上げた。
「自分で歩けるわよ！」
「Aは放っておくと逃げるだろ」
Aはぐっと言葉に詰まった。
実際家族の前に連れていかれるまでにどこかのタイミングで逃げようとしていたのだ。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
