ep.53 ページ5
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バックビークがAをグリフィンドール塔の部屋に送り届けた＿窓から部屋に入るときが今までのAの人生の中で一番怖かった＿時には、Aは叫びすぎてくたくただった。
部屋に入ると"ベッドの中にいるA"は霞のように消えた。
「あとで説明するって言って、結局あの子ほとんど何も言わずに飛んでいった……まあいいわ」
空が白みだし、もう寝る気分になれなかったAは談話室に降りた。
すると燃え尽きかけた暖炉の前で座っていたたったひとりの先客が振り返り、Aを見て笑いかけた。
「早起きだな」
「あなたもね、フレッド」
そっと真っ赤なソファに腰かけると、強く腕を引かれてAはフレッドの肩に倒れ込んだ。
文句を言ってやろうと口を開いたが、優しく細められた目があまりに愛おしそうに見つめてくるので何も言えなかった。
「A」
「なによ」
「A、」
抱き上げられて膝の上に乗せられ、フレッドの顔が髪に埋まる。
高い鼻が首に当たって擽ったい。
「なんなの、もう」
体に巻きついた腕を叩くと、よりいっそう ぎゅう と力が籠った。
「＿＿＿＿愛してるって言ってもいいか？」
「私の許可がないと言っちゃいけないの？」
ふ と息を吐くように笑ってAが聞くと、くるりと体が180度回転してフレッドと向き合う形になった。
熱を孕んだ瞳がAを見上げている。
全身が心臓になってしまったかのように、耳の裏で絶えず、どく、どく と鼓動が鳴った。
「知らないのか、エイミー。愛してるって言われたら自分もそう言わなきゃいけないんだぜ」
「それは知らなかった、じゃあ言わないで」
にやりと笑うのを抑えるようにAがフレッドの口を両手で塞ぐと、それもあっさり捕まって絡めとられてしまった。
「いーや、言わせてもらうね」
続いた五文字は、音にはならないような掠れた声だった。
それでもAの鼓膜にこびりついて、内側から勝手に涙を押し出した。
Aはゆっくりと手を解いて、震える指先で自分のローブの袖に触れた。
「＿＿＿これを見ても、同じことが言える？」
現れたそれを見て、フレッドが最初に思ったのは、雪のように白い腕だな と言うことだった。
次にその細さとなめらかさに驚き、そして最後に黒く蠢く骸骨と蛇の印を目に捉えた。
「だから、ずっと長袖を？」
「今は私が聞いてるのよ。これを見ても、同じことが言えるのかしら？」
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
