ep.78 ページ30
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小さく杖を上げてみせるジニーを笑いながら止め、Aは首を横に振った。
「こんなこと言ったらあなたたちは怒るでしょうけど……私、彼が私を選んでくれただけで充分幸せだわ」
ハーマイオニーとジニーは眉を下げ、話は近々行われるダンスパーティーで着るドレスの話や、ハーマイオニーがやたらとクラムと目が合う気がする という話に移り、いつの間にかハリーを祝う会はお開きになっていた。
*
案の定、第一の試練が終わると生徒たちの関心は次の試練＿ダンスパーティーに誰を誘う・誘われるかというもの＿に移った。
授業前授業中授業後、朝夕を問わずあちこちで色めきだった生徒たちの声が交わされる。
1〜3年生は上級生のパートナーにならないと参加出来ず、ジニーは誰でもいいから4年生以上が誘ってくれないかとやきもきしているようだ。
AはAで、まだパーティまで２週間以上あるのに六人の男子生徒から声をかけられていた。
彼らは闇の印のことは都合よく頭から消し去ったようで、Aを口説くために頭から爪先まで褒めちぎって、最後に手を差し出すのだった。
「もちろん全部断ったでしょう？」
「当然……ジニーは？」
残念そうに首を横に振ったジニーに、Aは「本当に私が誘ってあげたい！そこの綺麗なお嬢さん、私とダンスパーティに行きませんか？」と冗談めかして跪き、ジニーは可憐に笑って「喜んで」と手を取った。
「でもあなたにはパートナーがいるでしょう、A？なんて誘われたの？」
ハーマイオニーが笑いながら当然のことのように言うと、Aは微妙な顔になり、「まだ誘われてないわ」と答えた。
当然二人は唖然とし、口々に 有り得ない だとか 男として終わってる だとかを呟いた。
「私の話はいいわよ…ハーマイオニーは？」
「……誘われたわ、イエスって返事した」
恥ずかしそうに答えるハーマイオニーに二人が食いつくと、誰にも聞かれていないか辺りを見回してから、「クラムよ」と囁いた。
Aとジニーは顔を見合せて黄色い悲鳴をあげ、ハーマイオニーに必死に止められた。
「やっぱり目が合っていたのは気のせいじゃなかったのね！だってあなたってすごく可愛いもの＿＿」
「あー、ごめん…ちょっといいかな、」
顔を赤くするハーマイオニーに捲し立てると、後ろから とんとん と肩が叩かれ、Aは飛び退いた。
「あ、セドリック…」
「行ってきて、A」
Aは気まずそうな顔で、セドリックの後を着いて行った。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
