ep.75 ページ27
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第一の課題まで残すところあと一週間となった日、Aは寮に帰る途中、ハリーに呼び止められた。
「アー、A、ドラゴンを大人しくさせるにはどうしたらいいかな、特に意味は無いんだけどほら、参考程度に……」
ハリーの必死な顔にAは小さく笑い、第一の課題がドラゴンであることを察した。
「餌を置いたら少しはそっちに気を向けられるけど……生肉は持ち込み禁止よね？」
ハリーは声を上げて笑った。
焦っていた気分が幾分か楽になるくらいおかしかったが、冗談ではドラゴンは大人しくならない。
Aは真剣な顔で悩み始め、ハリーはセドリックが余裕そうに友だちとはしゃいでるのを見て落ち込んだ。
「ごめんなさい、ハリー。ギブアップしてもいい？」
「はは、いいよ……ありがとう」
Aは申し訳なさそうに去っていき、またフレッドに捕まっていた。
忍びの地図はハリーの手にあるのに、どうして彼はいつもAの居場所がわかるんだろう とハリーは不思議に思った。
*
「ハリーとはちゃんと話せるのにな」
「何の話？」
「昨日からきみの可愛い目がこっちを向かないっていう話」
「……実は私昨日急にバジリスクの力を手に入れてしまったの」
「俺だけ目を合わせたら死ぬってか？」
フレッドは大きな手でAの頬を鷲掴みに＿もちろん力は弱く＿し、自分の方を向かせた。
垂れた眉と潤んだ目があまりにも可愛くて、フレッドはもう片方の手を額に当てた。
「キスしていい？」
「あなたってそればっかり！」
「恋人なら普通のことだと思うけどな」
普通 を強調して言うと、Aの喉の奥で ぐぅ と変な音が鳴った。
「だって嫌な記者の女がうろついてて……いつ撮られてるか気が気じゃないもの」
「一面俺たちのキス写真？最高だ、今すぐ撮ってもらおう」
「ばか！今は噂がハリーのことに移ってるっていうだけで、私のこれが消えたわけじゃないのよ！」
Aはローブに隠れた左腕を人差し指で叩いた。
誰にも打ち明けていないが、それは日に日に濃くなっている。
しかしフレッドはいつものように だから？と小さく笑っただけで、Aが言葉を続けられないように唇に噛み付いた。
「あなた、キスすれば私が大人しくなると思ってるでしょう…」
真っ赤な顔を隠すように手を顔に当てて少し距離をとるAの腰に手を回して引き寄せ、フレッドはAの頭にキスをした。
その目はこちらを見ていた男を厳しく捉えていたが、Aは知る由もなかった。
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ちとせ(プロフ) - Rrrrさん» コメントありがとうございます。はい、もちろん……(；；)ただ(私の解釈での)ハッピーエンドにはなりますのでご安心ください(？) (3月9日 9時) (
レス) id: 12c0d6c6fa (このIDを非表示/違反報告)
Rrrr(プロフ) - 最近読み始めた者なのですが救済等は無いのであれば、フレッドもちゃんと…? (3月9日 6時) (レス) id: eeb020f16b (このIDを非表示/違反報告)
赤田 - すごい、悪役令嬢的なことになっても、吹っ飛ばしてる、すごい。 (2023年3月8日 19時) (レス) @page45 id: 3d88a3b324 (このIDを非表示/違反報告)
ちとせ(プロフ) - 村民さん» ありがとうございます♡♡読み返していただけたなんて、とっても嬉しいです(><)フレッドくんのかっこよさの10000分の1も表せていない気がするのですが、これからもお付き合いいただけると嬉しいです( ¨̮ ) (2023年2月20日 12時) (レス) @page48 id: eeb6bd2221 (このIDを非表示/違反報告)
村民(プロフ) - 初めまして！好みのお話で最近フレッドにハマった事もあり1日で何度か読み返させてもらいました！続きも楽しみにしてます٩(๑❛ᴗ❛๑)۶ (2023年2月20日 5時) (レス) @page47 id: 82c45efafd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちとせ | 作成日時：2023年2月13日 13時
