希望の音は聞こえるのか？ ページ29
耳がつんざくほど＿＿＿という訳では無いがかなり大きな音。
これは、何の銃弾？
1発だけで、かなり距離は近いということは巨人ではない。
・
待って、1発＿＿＿ということは、榴弾。
榴弾といえば、巨人よりも人間へのダメージが大きい。
普通、壁内で砲弾が鳴ることはないし、
人を殺めるときはそんな砲弾なんか使わない。
・
・
＿＿＿ああ、心臓の鼓動しか、聞こえない。
急に震える手足。
後頭部を殴られたような、気持ち悪さ。
・
かつてない苦しさが身体と心を蝕んでいく。
はっ、として周りを見渡すと皆ただ、砲弾に驚いていただけだった。
私ほど取り乱している人はいない。
「おい、なんだこの音は！？」
「状況がよくわからんな。巨人に備えてなら1発で終わるはずがない…！」
『あ、あの！
いまの砲弾＿＿＿榴弾はエレン・イェーガーを狙ったものではないでしょうか…！』
一向に落ち着かない心臓の音を抑え、精鋭の先輩に言った。
「何だと！？」
「…いや、待て。十分有り得る話だ」
『いまの1発の音と言えば、榴弾。
〈普通〉ならば壁内で砲弾は鳴らず、人を処罰するならもっと適するものがあります』
「すると、〈普通〉ではなく〈例外〉、いや〈緊急事態〉ということか」
しん、と静まり返った。
・
が、それも一瞬。
「隊長はエレン・イェーガーを人類の敵として判断し、それを打とうとした、ということだな」
「やつは死んだのだろうか＿＿＿？」
「人間の姿ならば爆発した瞬間に即死。身体はバラバラだな」
さまざまな意見が飛び交う。
さすがは精鋭班は違う。
頭の回転が早い。
「だが、我々にはどうしようもないな。
あちらへ行っても何も変わらんだろう」
イアン班長、リコ班長が離れたいま、リーダー格の先輩がそう宣言したことで、引き続き待機の体制がとられることになった。
それからしばらくは何の音沙汰も無かった。
・
・
「精鋭班だな！？
ピクシス司令がお呼びだ！」
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天雪(プロフ) - 体重とか無理のない設定で好きです(笑)素敵な作品、ありがとうございます！ (2020年5月7日 11時) (
レス) id: 9e97a6dad3 (このIDを非表示/違反報告)
紫餡(プロフ) - あかねさん» コメントありがとうございます！！長い間気づけず申し訳ありません。。。本当に不定期としか言えませんが待っていただければ幸いです！ (2019年12月1日 15時) (レス) id: 0463c0f2b9 (このIDを非表示/違反報告)
あかね(プロフ) - 面白いです！更新期待としか言えませんね...(゜Д゜) (2019年7月28日 18時) (レス) id: a4b09d9bbd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫餡 | 作成日時：2019年1月22日 16時
