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「あらぁ、カオル様今日はいつになく元気ですね!」
「そうかな…?でも、凄い癒される夢見たんだよねー。」
「 そうですかぁ。それは私もですよぉ!えとですね、私が見た夢はぁ、カオル様とあんなことやそんなことして、あげくの果てにはカオル様が…。」
「あぁー、ごめんね、キャサリン。ちょっと用事があるからさー。じゃあね!」
少し、嫌な予感がしたので、
そそくさと逃げた。
「あ、追いかけっこするんですかぁ!わたし得意ですよぉ。カオルさまぁ!逃がしませんよぉ!!!」
笑顔だよ。やばいよ。笑顔でこっち来る、怖いわ。
「なんで追いかけてくんのぉおおお!?」
キャサリンとそれはそれは楽しい追いかけっこをしましたとさ。
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それから数日たちました。
「ねーキャサリン。ラドとレイモンドさんは?」
「出かけておられますよぉ、草むしりしにいかれてますぅ。雑草を摘み取ってお花畑にしてくるそうです。」
草むしりかー。
は?
「いや、なにそれ?」
「王子ですからぁ、環境を整えないと魔物達も住みずらいですからねぇ。」
なにそのお母さんに頼まれてやるような仕事。
「雑務も王子の仕事のひとつです。
ニンゲンの王子も、城下町に降りてお忍びで民の様子を見たり、より良い国にするために雑務をされるのではないでしょうかぁ。」
「う、うん?多分そうだと思う。あんまり、わかんないんだけどね。」
異世界からきた私はこの世界のことをよく知らないから…。
でも、王子って大変なんだね…。
レイモンドさんとラドが、草むしりしてるのを想像すると少し笑いが込み上げてくる。
「あ、そういえば、今月年に一度のお祭りが城下町であるんですよねぇ。」
もうそんな時期ですかぁ、とかいいながら私の部屋を掃除してくれる。
テラスベン大陸国の真ん中にあるテラスベン本城の城下町、そこで年に一度の大きな祭り
通称アニュアルフェスティバルが開催されるようだ。
ちなみに今いる城は、テラスベン西城、森の中にぽつんと建っている。
テラスベン本城は、この西城よりひと回りもふた回りも大きいらしい。
お祭りか…。いってみたいな。
私は今、魔法の先生をしているので、ここの城から離れたことは無い。
ラドが帰ってきたら、ちょっと相談してみようかな。
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作者名:Chiroru | 作成日時:2019年1月3日 15時