異世界転移したのはいいが、特典は特になし。 (ページ40)

今日:24 hit、昨日:6 hit、合計:17,142 hit

39 ページ40

(ようするに、レイモンドさんが言うには、魔物の中にも大きく分けると
魔族とロストカリバーが存在している。
魔族は、魔力が高く悪魔やヴァンパイア、角とか牙とが生えてたりするのもいるが、それ以外を除くと比較的人間とほぼ同じである。しかし、ロストカリバーは魔族が何もしなくても人を襲う。

そして、魔物はこの世を恨みながら死んでいった人間だということだ。)

「あの…レイモンドさん。その、それだと…。」

「…あぁ、普通なら人間のことが嫌いなのではと思ったのですか？」

「は、はい…。」

怯えた目でこちらを見てくる。

「私たちは、人を嫌いではありませんよ。人の頃の記憶もありませんしね。先程申しあげた通り、私たちの魔王は人間との共存を望んでおります。」

これでもかと言うくらい優しい笑顔をした。
ロストカリバーさえ制御出来れば、私たちは理解し合えるはずなのです。

｢あと…人だった頃の記憶(私達の過去)を詮索しない方がよいですよ。まぁ、黒歴史(・・・)のようなものですからねー。｣

黒歴史と聞いて顔が強ばるカオル様。

「そ、そうですね！黒歴史ってほんと知られたくないですもんねっ！！ありがとうございます、教えてくださり。

…そっかぁ、ラドは結構魔力が高いんだ。」

カオル様は小さく微笑む。

(魔力があるのに、お花しか咲かせられないなんて。ちょっと、可愛いと思ってしまった。平和的で素晴らしいなって。

…けど、私が教えてるからそんなに成長しないのかな。そもそも私は魔法使えない(・・・・)んだし…。

……あっ！…聞こえてしまったか？)

手で口を抑え、目を大きく開かせ、こっちを見てる。

(いや、口抑えたって意味ないって！)

自分でツッコンでらっしゃる。

「_________どうされました？手で口を抑えて…。

………ッ！もしかして調子が悪いのですか！？毎日頑張りすぎなんですよ。

これだから貴方様は！

自分のことを管理できないのでは、しっかり先生を務めることはできませんよ！」

(バレなかった…？よっしゃぁぁぁ!!!)

ふふふ、可愛らしいお方だ。

丸聞こえですよ。

魔法が使えないことだって。

全部。

………

…………………………貴方様の生徒に。