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「えーでも、連れてきちゃったし、もう。」
「すみません、そろそろ降ろしてください。お腹が痛いです。」
「あ、ごめん。」
この隙に逃げてやろうか。
静かにその場から立ち去ろうとしました。
「だめだよ。逃げちゃ。」
がっつりホールドされました。
あんまりだよ。美味しくないよ。私。
「安心してください。ヒトを襲うのは低俗の魔物ですよ。ラドルファス様このおかたどうするのですか?」
え、待ってこの人私の心読んでない?
「だから魔法のせんせーなの。」
ガチでいってんの。おかしいね。帰りたい。
「帰したいのは山々なのですがあなたの家を知りませんが故。」
コイツは心を読めるのか!?
「はい。ワタクシはコイツではなく、レイモンドでございます。以後お見知り置きを。」
凄いなー。心読めるんだー。
「レイモンドー。カオルはボクのだよ。」
「すみません。ラドルファス様。………さて、どうしましょうか。
貴方の家に明日送るように手配できますが、場所はどこでございましょうか?」
「レイモンドー。勝手に決めるなよー。」
「貴方様は、あくまでも王子です。そこの所はよくお考えください。」
「…いや、ちょっと待って。金髪くん王子なの!?」
「うん!そうだよ、カオル、すごいでしょ。ボクのことはラドルファスって呼んで!ラドでも!ラドちゃんでも!」
てへぺろしてる。一国の王子が…。王子…魔法使えないのかよ。
てか、自分の家はどこだろうねー。実際に自分の家はないけどね。
「あ、あの、私家の場所わからないんです。」
「じゃ、ここで、せんせーしてよ。」
ねーいいでしょー。とずっといってくる。
帰り方もわからないし無闇矢鱈と歩いて死ぬよりはマシかなと思った。
で、でも、こっちに肩入れをしてしまったら、よくないのかな。
「ラドルファス様は戦争を仕掛けようとは考えてはおりませんよ。
あちらの大陸の噂でしょう。私達魔物は昔からニンゲンとの共存を目指しておりますから。
今回はロストカリバーの駆除をしに、あちらの大陸に出かけたんです。まぁ、最終的な判断は貴方様にお任せします。」
「ロストカリバー?」
知らない単語がでてきたので思わず質問してしまった。
「暴走した魔物のことです。」
そうなのか、案外良い奴なのかな。
けど、
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作者名:Chiroru | 作成日時:2019年1月3日 15時