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生い茂る草をかき分けると、
「!?、傷だらけ!」
そこにいたのは白いもふもふ。その子は怪我をしていた。
私は、無我夢中に走った。こんな時間に動物病院は開いていない。だんだんと元気が無くなっているその子を両腕で優しく抱きしめ、急いで家に帰った。
家に着いたときには、ともに息がきれていた。そこから、急いで応急処置をした。
呼吸が落ち着き、随分表情も和らいできたのを確認した私は、安心してその子と寝てしまった。
それから約3時間後、何かに噛まれる感覚がして目覚めた。
「…い……きゅ…!…きゅい!!」
「いったぁっ!?」
「きゅい!きゅい!!」
もふ子は、私の服をひっぱる。あ、なんかいつの間にか愛着湧いちゃって名前をつけてしまった。我ながら可愛い名前だ。なんちゃって。
「あーもうなに、もふ子、おなかへったの??ちょっとまってー。」
「きゅい!きゅい!!」
ご飯を作ると言ったのにまだ服を引っ張るのか、そんなにもお腹が空いているのか。
私はまず冷蔵庫を開き、今日の朝作ったおにぎりと、ササミと……。うん。あとは調味料とかしか無かった。もふ子はササミを食べるだろうか。
ササミは低カロリーでヘルシーだからと、友達が作り方を教えてくれたのだ。女子力とか、流行に疎かったりする私にはそんな友達がいてくれたので、何かと助かっている。
まぁ、あまり料理は上手いほうではないので、味の保証は出来ないが今回は自分なりに上手くいった感じだ。
と、もふ子にあげようとしたとき、
「きゅいぃ!!」
「あ゛っ!いたいっいたいってっ!」
可愛げもない声をあげてしまったとわれながら思った。
が、一向に離さないもふ子。何かを伝えたいのか、ずっと私を引っ張る。仕方なくついていくと玄関の前まで来て扉を開けろとばかりに引っ掻く。
あー、扉をひっかかないでおくれと思いながら、外に出る支度をした。やはり散歩をしたいのだろうかと思いながら、散歩の途中におにぎりでも、と
カバンに私の夕飯とモフ子の夕飯をいれた。
怪我をしていた割にピンピン動くというか噛んでくるもふ子に完全に根負けし、散歩に出ることにした。
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作者名:Chiroru | 作成日時:2019年1月3日 15時