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「あぁ、勇者様はこの世界に転移したことを自覚してなさそうだったからね。」
「オ、オリヴィアちょっと話があ」
「勇者様!?、いやいや、名前でいいです!あ、まだ私、名乗ってませんでしたね。私はAっていいます。普通にAと呼んでください!」
「ありがとう。…カオルか。やはり珍しく綺麗な響きの名前だ。とても良い名をご両親にもらったのだな。」
名前を褒められ、少し照れてしまう。
「カオルは、ここの世界に来て何か変わったことはなかったか?」
「?…は、はい。多分何もなかったと。」
「ほう、そういう例もあるのだろうか…。」
「え?」
「…いや、なんでもない。それと私の名前も自由に呼んでもらって構わない。こいつのようにな。」
と少し微笑みながら、もふ子を見る。
「な、なんだよ。それよりオリヴィア!話があ」
と反応して、もふ子はオリヴィアさんに話かけようとしたが、またさえぎられた。
「で、本当はあと1匹いるのだが…ノルン。」
ギクッともふ子は動いた。
「あ、いや、だから、あのまぁ色々あってだな…。」
「はぁ、全くお前は兄だろう。弟1人くらい面倒見れなくてどうする。」
「はぁ!?あいつとは、歳変わんねぇし、あいつが変なこと言い出すから…。なんか離れ離れになっちまったんだよ。」
「つまり喧嘩したんだな。まぁ、変なこと言ってるのはお前だろうがな。」
「なんだとぉ!?あいつがわりぃに決まってる!」
「あの…。弟さん探さなくて大丈夫なんですか?」
「それは大丈夫だ。あいつはこいつと違って阿呆ではない。」
「そうなんですか。」
「…このクソババァ!」
その瞬間オリヴィアさんは線を書くように手を振りあげた。
ただそれだけで特に変わったことは起きなかった。
「きゅい、きゅい!きゅい!」
「わぁお…。」
「あぁ、魔力を一時減退させる魔法をかけたのさ、だからノルンは一時的に話せなくなるんだ。神獣は魔力の塊のようなものだからね。」
いやいやいや、無言で魔法てかけれるんかい!
「まぁ、私くらいになると簡単な魔法なら暗唱はいらないんだよ。」
「は、はい。」
たまにオリヴィアさんに心読まれてるんじゃないかって思われる今日この頃。
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作者名:Chiroru | 作成日時:2019年1月3日 15時